普通においしい

痛いニュース(ノ∀`) : 毎日記者「ここの店、うまいの?」 若者「普通においしいですよ」 記者(普通にって何だ…?) - ライブドアブログ


「普通においしい」っていうのは、たとえば評論家の評判がすごく良い料理や食材があって、だけど自分が食べてみるとさほど美味いと感じない。こんなの高い金払って食べるくらいならスーパーの惣菜食べたほうが美味いなんて思ったりするけれど、しかし、食通の人が美味いというからには美味いのだろう、ろくなものを食っていない自分の舌にはそういうものを美味いと感じる能力が備わっていないのだというようなものとは違って、自分が妙なウンチクを垂らさないでも素直に美味いと感じられるものを「普通においしい」と表現するんだと俺は思ってる。


もちろん、これは食い物に限ったことではなくて、映画や小説や音楽や絵画などにもあてはまるのであって、俺は食い物には自信が無いけれど、映画や音楽とかなら、全く良いとは思えない駄作を、何か高尚なテーマでもあるかのように、いろいろな理屈をつけてこれの何が良いのかと説明しているのを良く見かけるわけで、そんなことはわかった上でこっち駄作といっているのであって、その人は本当にそれを良いと思っているのではなくて、それがわかっている自分はすごいって自慢したいのではないかと思うこともしばしばだけれど、そうはいってもその人は本心から良いと思っているのかもしれず、議論しても益がないと思われるので黙らざるを得ないわけ。


つまり「普通に」という形容詞がつくときは、それはそういう理屈をこねなくても良いと思えるものについて、「普通においしい」とか「普通に面白い」とか言うんだと思ってる。もちろん何が普通かは人によって違うわけで、お前は普通と思ってるかもしれないけれど、こっちにとっては普通じゃないってこともいっぱいあるでしょうね。