想像可能な文脈?

「〜〜は悪だなー」と皮肉ることについて - novtan別館

単純な構造として、XXは悪だなんてかけらも思っていない人が、架空の、あるいは実在の悪と目される人物あるいは団体に、あるいは、皮肉るべき対象であるところの衆愚という名の世論に、「やっぱりXXは悪だ」と語らせる。そのことにより、「ひでーこと言いやがるなあこいつら」みたいな印象を与えるわけだ。で、その背景にある思想なりがそういうことを言わせる=そういう考え方は駄目だ、というのを暗に提示するわけ。そのひとつの手法として、そのような立場から代弁してみる、というのが今回の発言だろう。もっとも、その背景にある思想の根底みたいなのは、そこで提示された団体やら人物が架空のものであった場合、それを知っている、あるいはそれがどのような主張をしているかが容易に読み取れないとそこまではたどり着かない。ただ、そこまで辿りつけなくても、少なくとも「XXが悪」ということは的はずれだよね〜ということを言いたいというのはわりと想像可能な文脈であるとは言える。

俺は銀英伝知らないけれど、世の中には一般に「悪」と認識されているものを信奉する人は少なからず存在するのであって、たとえば銀英伝より遥かに知名度が高いヒトラーナチスという実在した人物・団体について「ヒトラーは正しい」「ナチスは正しい」と言っている人が冗談で言っているのか、本気で言っているのかなんて、それだけで判断するのは不可能なんじゃないですか?


というか、そういう発言があった場合、冗談で言っている可能性を考慮する必要は無いと思いますけどね。その後で「本心で言っていったのではない」と納得できるような趣旨の発言があって初めて「そういう意味なのか」とわかるタイプのものじゃないんですかね?(それでも不適切だという批判が十分妥当な場合もあると思いますけどね)。


なぜ「想像可能な文脈である」といえるのかさっぱりわからない。


可能だとすれば、発言者のそれまでの言動から、そういうことを言う人ではないという認識(もしくは思い込み)があった場合じゃないんでしょうかね?たとえば反原発を唱えていた人がいきなり原発賛成なんて言い出したら、何か含みがあるんじゃないかと想像することは可能でしょうけどね(その場合でも本当に転向した可能性はあるわけだし)。

ただ、それが架空であることに気がついた場合、少なくとも(棒)と同じ程度の文脈を読み取ることは可能だ。

架空の「悪」、たとえばスターウォーズ銀河帝国軍でも、ショッカーでも何でもいいけれど、それらの「悪」を支持すると発言した場合、本心ではないと読み取ることができるという根拠が全くわからない。はっきり言わせてもらえば「何そのトンデモ思考?」って思う。