⇒『ザビエルも困った「キリスト教」の矛盾を突く日本人』によるミスリードと嘘 - Togetter
「日本人達がザビエルの話を聞いて納得し入信した」部分が省略されている。
はこういう理由で批判していた。このおかしな批判が多数に支持した理由として先に
まあ、おそらくは、2ちゃんねるまとめから不健全なナショナリズムの匂いを嗅ぎ取って、それへの反発から、それを批判してはいるが、よりおかしな主張を支持しちゃいましたってことだろうと思う。
と書いた。よくある「敵の敵は味方」のパターンだ。
それとは別に「メディアリテラシーの形骸化」があると思う。
「原典に書かれていたものを意図的に省略することで本来の意味とは異なる印象を読者に与えてミスリードする」というのはよくあるパターンだ。そういった記事を批判したものを良く見かける。
もちろん、それは十分注意すべきことだが、それが形骸化すると、その手の批判があればパブロフの犬のように条件反射で妥当な批判だと判断してしまうということがあるのではなかろうか。
実のところ、「日本人達がザビエルの話を聞いて納得し入信した」というけれど、日本人が納得しようがしまいが「質問した」という事実に変わりはない。これが「質問したにはしたけれど実は勘違いによる質問でした」とか「日本人の質問ではなくて実は中国人の質問でした」とか「日本人だけでなくキリスト教の布教があった場所ではどこでも同じような質問があった」とかいう話が省略されているというのなら、省略したのはけしからんということになるが、「質問した」という事実の意味に何の変化ももたらさない「納得し入信した」が省略されていたからといって何の問題もないのである。
省略されたことによって、山口で質問した人達が入信しなかったのだと思った人がいたとしたら、そう思った人が勝手にそう思っただけである。だが、そもそも2ちゃんのまとめサイトを見る限りではそんな誤解をしている書き込みは一つも無い。というか入信したかしなかったかなど関心外であるとしか思えない。どう考えたって「質問した」ということに関心があるとしか思えない。よって、省略してミスリードしたという批判は全くの的外れである。
そういえば、似たようなのが最近あった。
⇒メディアリテラシーが要求されると言ってる人のメディアリテラシー
で書いた勝間和代氏の記事だ。
しかし、ではなぜ、
「低炭水化物ダイエットは死亡率を上げるのか」
という仮説なのですが、Introductionのところに、その仮説がしっかりと書いてありました。
読売新聞の記事には元論文に書いてあることが省略されている。ミスリードだというわけだ。しかし、そもそも読売記事には
したがって、低炭水化物ダイエットが体に悪いからといって、たとえば炭水化物を繊維やフィトケミカルの少ない、読売の記事にあるようなご飯やパンなどでばりばり食べても、その人の死亡率はちっとも下がりません。
といった、ご飯やパンなどでばりばり食べれば死亡率が下がるなどということは書いてないのだ。勝間氏が勝手にそう受け取って、省略されているのはけしからんと批判しているのだ。
もっともこっちの勝間氏の記事ははてなブックマークでは評判はあまりよろしくなかったわけだが、このように一見メディアリテラシーを駆使したかのようで全く的が外れている主張が増加しているのではなかろうかと思う今日この頃。