「正史」(その8)

近代デジタルライブラリーで調べた「正史」

  • 「会沢正志斎」確實な正史の知識

古事記』『日本書紀』『出雲風土記』『祝詞』『古語拾遺』『神皇正統記』『延喜式』『書経洪範』が出てくる。これらが「正史」という意味なのか、「正しい歴史の知識」という意味なのかはわからない。

  • 「いろは文庫 : 正史実伝」

いきなり高野師直(こうのもろなお)・塩谷判官高貞が出てくる。次が大星由良之助良雄だ。忠臣蔵だ。もちろん大星由良之助良雄という人物は実在しない。

  • 江戸文学図録 : 藤井博士還暦紀念. 解説篇

上の「いろは文庫 : 正史実伝」の解説。口上に「戯墨の奇を愛して実伝を誤り伝ふるもの少なからず(中略)四十有余人の略伝を春水翁正史によりてこれを記せり」とあるという。「正史」によるから「正史実伝」ということなのだろう。この「正史」が国家が編纂したものだとは考えにくい。

  • 「越後の婦人」正史野乗に見へたる婦人

この「正史」は日本書紀などと思われ。「野乗」とは「野史」のこと。正史の範囲は不明。

1869年箱館戦争の記事。「正史」の意味がよくわからないが「史実」という意味ではなかろうか。

  • 「科学者が投じたる宗教界への爆弾」耶蘇に關する正史は毫も存在せず

キリスト非実在説の本らしい。ここでいう「正史」とは聖書以外の史料という意味っぽい。聖徳太子非実在説の先達か?やばい読みたくなってきた。

  • 「基督抹殺論」正史に於ける基督

上に同じ。「古代の正確なる史伝は彼れの事績を伝えざる也」著者は幸徳秋水


  • 「剣侠受難. 前篇」正史編纂

小説。水戸光圀朱舜水の幽霊(?)が正史の編纂について語っているのだと思われる。すなわち「大日本史」を「正史」としているのだろう。

  • 「皇国の書」皇國の正史に還れ

天皇中心、詔勅中心の正史(この正史に対して頼山陽が武門の興亡を叙せる自著に日本外史命名せるは卓見であるに徹して、はじめて八紘一宇の民族的大使命を知ることができる。

ここでいう「正史」は「天皇中心、詔勅中心」ということ。国家=天皇が編纂したなら自然そうなるだろうけれど、定義としては現在のものとは違う。なお「外史」の意味の説明は大いに疑問。

  • 国史学のしをり」正史及び雑史 小中村清矩

六国史の後勅撰の正史無し」とある。

  • 国史学の方法」正史類 小中村清矩

「是より以下は正しき漢文をもて撰修したる歴史の事をいふべし」とある。

  • 「史学の友 : 教育談海」正史と稗史との区別

抑(さて)正史と称すは年年の記録を材料にして書いたもので日本で言へば大日本史だの国史略だの日本政記などの類


疲れたので休憩