近代デジタルライブラリーで調べた「正史」のつづき。
- 「支那仏教正史. 上巻」
是に於て、余は敢へて不肖を顧みず、自己の意に満足するまで、直接古典史料を探求し、以て自ら其正史を知るらんと欲したれども、
つまり「正史=正しい歴史」
- 「逍遥劇談」坪内逍遥 正史上のシーザー
「史家の傳ふる所によれば」とあるので「正史」とは演劇や小説ではなく歴史家が伝える歴史ということだろう。
- 「清朝史通論」正史
正史といふのは、元なら元、明なら明が亡びると、其の次の代になつて、前代の歴史を編纂して、朝廷の正確なる書籍として保存する。それを二十二史といふのであります。昔からの正史が二十二あるから二十二史といふのであります。其の最後に出来たもの、即ち清朝の時に出来たのが明史であります。
- 「実験菊花培養法」正史に見えた菊花
菊のはじめて正しい書誌に載つたのは『類聚国史』である。
その他『万葉集』『古今集』をあげている。
⇒類聚国史 - Wikipedia
- 「武原寮正史」
- 「朝鮮図書解題」正史類
『三国史記』『高麗史』の二つのみ。「正史」ではなく「正史類」とするのに意味があるのかは不明。
- 「鉄仮面 : 正史実歴」ボアゴベ著
是は泰西(せいよう)の歴史小説にて事実をそのまま鉄仮面と題したる最も不可思議なる談柄なり
事実に基づいているから「正史」ということだろう。
「正史」とあるが「資治通鑑」などが含まれている。
- 「日欧交通起源史」
「神武以降の非正史的交通」日本の歴史書に載らない事柄。徐市伝説、倭の五王など。
「推古朝以来の正史的通使」鎌倉・室町・織豊・江戸を含むので「正史」は六国史だけではない。
「ガマ以後の正史的初来の欧羅巴人に関する諸種の史説」
これらで言う「正史」とは俗書ではないという程度だと思われ。
正しい歴史という意味だろう。
- 「日露戦争正史」
正しい歴史という意味だろう。
- 「万国小史. 巻1」正史前の事変
希臘正史の紀元は耶蘇紀元前七百七十六年なり正史を三分して第一、第二、第三、時代とす
紀元前776年に何があったのか調べると
紀元前776年、記録に残る最古の古代オリンピック大会がギリシアで開催される。
また、ギリシャにおいて最古の文字使用例が特定された年でもある。
⇒紀元前8世紀 - Wikipedia
とある。つまり文字の使用をもって「正史」時代としていると思われ。
⇒ギリシャの歴史 - Wikipedia
を見ると紀元前1200〜1000年頃- 紀元前800年頃を「暗黒時代」、紀元前800年頃- 紀元前500年末頃を「前古典時代」、紀元前500年末頃- 紀元前350年頃を「古典時代」としている。「暗黒時代」というのは文字史料が無いので暗黒という意味であろう。
「古事記集註(仲哀応神天皇巻)寺部宣光」「村上忠順古事記標註」「正訓神代巻 中山繁樹」の三冊が「正史」
中身は『明治政史』。すなわち『明治政史』が「正史」。
以上。