フランス風刺画問題(その3)

この風刺画の問題点は力士の足や手が三本あったりするところではなくて

「すばらしい。福島のおかげで相撲がオリンピック競技になった」

の部分だろう。


まず、力士の足や手が三本あることと、相撲がオリンピック競技になったこととが結びつかない。普通に考えれば両者に繋がりがあるように思われるが、いくら考えてもどう繋がるのかわからない。三本あることによって相撲が面白くなるからというような説をみかけたが果たしてそうだろうか?違うように思うけど…


俺の考えでは両者に繋がりはなく、既に書いたように環境変異によって芝が使えなくなって現在流行しているサッカーやテニスが廃れて代わりに相撲が流行しているということではないかと思うが全く自信がない。


このあたりのわかりにくさが、フランス人が日本人や日本の文化に対してとんでもない偏見を持っているのではないかという疑心暗鬼を生み、不愉快な気分を生み出しているということはあるのではないか。


それはともかく「福島のおかげ」とは「福島原発事故のおかげ」という意味であることは疑いない。広島・長崎への原爆投下について「ヒロシマ」「ナガサキ」と表現するから、これもそれと同様に「フクシマ」と呼んでいるのだろう。


しかし「福島のおかげ」という言い方だとまるで「福島県民のおかげ」であるかのように受け取れてしまう。もちろんこれは皮肉だから「福島県民のせいだ」という意味に日本人には受け取られかねない。


まあ、これは日本のマスコミが「福島のおかげ」と訳したのに問題があって「フクシマ(あるいはFUKUSHIMA)のおかげ」と訳せば少しは印象が変わっていたかもしれない。