STAP論文騒動のよくわからないこと(その10)

「私のやったことは、科学者としてはまったく未熟であり、間違ったことです。しかし、理研の服務規程には違反していないので、解雇などの形で処分するのは不当です」

Open ブログ: ◆ 日本人は文盲か?(小保方さんより愚か)
ということだ。これを誤解している人が多数いるのは事実だ。


しかし、それはそれとして彼女のその主張が受け入れられるかといえば、かなり難しいのではないかとは思う。


彼女の主張が事実ならば、彼女はそれがやってはいけないことだという認識が無かったということになる。だけどそれをもって「知らなかったのなら仕方ない」とはならないのではないか?


理研の規程では「悪意のない間違い」は不正に含まないとされている。しかしそこで想定されているのは「やってはいけないことだという認識」を持っている者が、それにもかかわらず何らかの過誤によって、結果的にそれをやってしまったというようなケースなのではないか?


だが彼女の場合は「やってはいけないことだという認識」を持っていなかったが故にやってしまったということであり、彼女は過誤ではなくて「故意に」それをやったのだ。これは除外規程が想定する範囲を超えているのではないだろうか?


そこで争点は「やってはいけないことだという認識」が無かったのは、彼女の経歴や地位に照らし合わせて当然知っておくべきことを知らなかったのか、それとも知らないということも有り得ることなのだから理研がそれを研修などでちゃんと教育するべきだったのに不十分だったので免責されるのかという問題になるんじゃないかと思う。


常識的に考えればド素人の俺だってそんなことをやるのはマズイだろうと思い到るわけで、「知らなかった」で免責されるとは思えないが、常識の罠みたいなものがあるかもしれないので確かなことはいえない。