海外の高校生 日本への修学旅行が大幅増

これが「メディアリテラシー」というやつなのだろうか。(小田中直樹〈たまに〉仙台ドタバタ記)
という記事があったので気になってちょっと調べてみた。


海外の高校生 日本への修学旅行が大幅増 NHKニュース
まず素朴な疑問として「海外にも修学旅行ってあるの?」。台湾・韓国には日本統治時代に伝わったのかもしれないとか、アメリカといっても日系人の多いハワイ州なのかもしれないなんて、あくまで推測にすぎないけど思ったりする。


で、文部科学省のデータを見たんだけど「日本への修学旅行」という項目がない。再び上から下まで目を通したところ「学校訪問を伴う外国からの教育旅行の受入れについて」という表があり、ニュースの数字と一致してるのでこれだと気づく。


つまり正確には「教育旅行」である。「学校訪問を伴う」とある。じゃあ学校訪問を伴わないものもあるのかということはわからない。日本の学校が海外に修学旅行で行くときにも学校訪問するんだろうか?日本の場合はするのもあるし、しないのもあると思われ。「教育旅行 学校訪問」で検索すると
台湾の高校生が県立高校を続々訪問!〜台湾からの教育旅行誘致事業で埼玉ファンを獲得へ〜 - 埼玉県
という記事がヒット。日程見ると箱根・熱海あるいは富士山・河口湖に行ったあと、学校訪問、ついで浅草・スカイツリー・ディズニーランドといった日程。


さて数字だが平成25年度調査では計2万8663人で台湾1万1382人、韓国5567人、アメリカ2922人、オーストラリア2082人、中国1147人。平成23年度調査では計1万5916人で台湾3494人、韓国3475人、中国3439人、アメリカ1314人、オーストラリア1265人となっている。台湾が大幅増・米豪が約2倍なのに比べると、韓国の伸びは小さく中国は大幅減となっている。


平成20年度は計3万3615人で韓国8910人、台湾7320人、中国6294人、アメリカ2832人、オーストラリア2675人となっている。トレンドとしては台湾大幅増、米豪回復、中国・韓国は減少しており、震災の影響だけではないことは明らか。


ところで23年度の台湾3494人、韓国3475人、中国3439人と数字がほぼ横並びなのは単なる偶然なのだろうか?
(気になるのは復興予算の転用問題が話題になったとき、外国の学生を日本に招待する予算も取り上げられていたという記憶があるということ)
復興予算21億円が中韓友好促進団体に 団体トップは民主大物議員と外務省OB…

問題の事業は、外務省の「アジア大洋州地域、北米地域との青少年交流」。震災の「風評被害を抑える」という名目で、41の国・地域の高校生や大学生を招き、被災地との交流を行った。

ZAKZAK)
外務省: アジア大洋州地域及び北米地域との青少年交流(キズナ強化プロジェクト)


(追記)日本の高校生の外国への修学旅行
平成20年→23年→25年

アメリカ 26752 26576 35168
シンガポ―ル 24883 18977 23571
台湾 8024 12762 20829
マレーシア 22655 15695 20614
オーストラリア 29662 21557 19755
韓国 26306 20833 12037
カナダ 7934 5805 7814
イギリス 4943 5131 7503
フランス 6844 5368 6826
ニュージーランド 3691 3360 2798
ベトナム 486 684 1798
中国 11963 9312 1626

こっちも台湾大幅増、中韓減少。


あとオーストラリアとニュージーランドも減少していて、日本に来る方の回復が鈍いのと連動しているように思われ。理由は不明。



(おまけの追記)

 また、外国への修学旅行を実施した高校は延べ1203校・15万1419人で、前回の1357校・17万9933人を下回っている。行き先は29カ国で、参加生徒数から見ると、米国がもっとも多く220校・2万6576人。次いで中国の158校・2万2074人、オーストラリアの148校・2万1557人、韓国の167校・2万833人。

 前回調査では多い順にオーストラリア、米国、韓国、シンガポールとなっており、中国への関心が高まっていることが分かる。(情報提供:観光経済新聞社

外国人高校生の日本への修学旅行が大幅減、震災の影響か? 2013/04/19(金) 10:31:00 [サーチナ]

ここでいう「中国」とは「中国+台湾」のことで、中国9312人+台湾12762人=22074人。前回調査の中国11963人+台湾8024人=19987人より増えているから「中国への関心が高まっている」と。