日本の幽霊の手(番外) 狂骨(その2)

「きょうこつ」の意味も重要だけれど、より問題なのは画像の方だ。

狂骨 - Wikipedia
「つるべ女」
「計宇古都奈之(きょうこつなし)」の鮮明な画像はネットで見つからない。


「つるべ女」の名前の由来は「井戸の中から釣瓶に吊られて浮かび上がった姿」にあると思われ、元となった「狂骨」もまた井戸から姿を現している。「計宇古都奈之」はわからないけれど、ネット上にあるイラスト化されたものを見るとやはり井戸から登場しているようだ。


井戸から登場するのは、井戸に落ちて死んだか、井戸に死体を投げ込まれたかのどちらかだろうと考えられる。とすれば鳥山石燕の「狂骨」の説明「このうらみのはなはなだしきよりいふならん」とも合致する。少なくとも「けたたましい様子や素っ頓狂な様子」から井戸で死んだり死体を捨てられたことを連想するよりは容易である。ということは「計宇古都奈之」よりも「狂骨」の方が先のように考えられる。


ただしここに大きな疑問がある。「狂骨」に描かれている井戸って小さくないか?


こんな小さな井戸に人が落ちるだろうか?あるいは死体を沈めることができるだろうか?まあ絶対無理というわけじゃないだろうけど。ちなみに播州皿屋敷の「お菊井戸」といわれているものは
皿屋敷 - Wikipedia
死体を捨てるには十分の大きさ。


さらに言えば「つるべ女」という名の通り、この妖怪は正確には井戸の中からというよりも釣瓶桶の中から登場しているように見える。この大きさの釣瓶桶の中に人体が収納できるはずもなく、この妖怪はエクトプラズム的なもののように思われる。下半身が細くなっているのもそういうことではなかろうか?


で、そういう視点でみると、俺はあの有名なキャラクターのことを連想してしまう。


アラジンと魔法のランプの魔神のことだ。
魔法のランプ 魔神 - Google 検索
いや、さすがに直接つなげるのは無理があるだろうけど(そもそも現代のランプの魔神のイメージっていつできたんだ?)


でも似てるよね。


まだ続く(こんなに長くなるとは考えてなかったけど)