ナチス式敬礼のルーツはアメリカ(なのかも)(その2)

新情報追加


先に紹介した
JESSE OWENS OLYMPICS SALUTES, OLYMPIC OATH & TORCH / FLAME 1936 Berlin & Munich Nazi Olympics & not an ancient Greek salute & not an Olympic salute images http://rexcurry.net/olympic-salute1936.jpg Olympics photgraphs Jessie Owens Nazi salute
はRex Curryという人が書いたもので、リバタリアン党の人っぽい。
リバタリアン党 (アメリカ)
リバタリアンなら社会主義者共産主義者だけでなく国家主義的なもの(一般に右翼的と呼ばれるもの)をも攻撃対象にするのは当然であろう。


ただ彼の主張がどこまで正しいのかは、英語が苦手な俺にとって確認するのは非常に困難。たとえばエドワード・ベラミーの『顧みれば』が 「国家社会主義の聖書」と呼ばれたというのは、検索しても辿り着くのは彼の記事ばかり。だから保留にせざるを得ない。情報が少ないのは、自由の国アメリカがナチスと変わらないことをしていた、しかもナチスに影響を与えていたという黒歴史アメリカ人にとって認めがたいことだというのもあるかもしれない。



ベラミー式敬礼で検索してたら興味深い記事があった。
「ナチス式敬礼」はハリウッド製 - 祖国は危機にあり 関連blog - Yahoo!ブログ
Martin M. Winklerという人の『The Roman Salute: Cinema, History, Ideology.』という本の紹介。邦訳すれば「ローマ式敬礼:映画、歴史、イデオロギー」ということか。著者はドイツ人で米国のジョージ・メイソン大学の教授。


Rex Curryの記事にも似たことが書いてあったが、ローマ式敬礼」は古代ローマとは無関係だそうだ。Rexと違うのは、ベラミー式敬礼が「ローマ時代を描いた舞台演劇に使われ」、「さらに初期のサイレント映画にもこうした「ローマ式敬礼」が導入され」広まっていったという。で、イタリアの民族主義者であるガブリエーレ・ダンヌンツィオが「Cabiria」の影響でイタリアのファシスト党が採用し、さらにナチスも採用したのだそうだ。このあたりは前の記事に引用したウィキペディアの説明とほぼ同じ。


詳しくは『「ナチス式敬礼」はハリウッド製』の記事を読んでいただきたい。要は「ローマ式敬礼」なるものは、画家ダヴィッドによって創作され、ベラミー式敬礼が普及したアメリカで「ローマ式敬礼」として演劇や映画に使われ、やがてそれが史実であると認識され、ファシストに採用されたということ。いわゆる「創られた伝統」の範疇に入ると思われる。


ただこれだと、この手の人達はこのような儀礼を好むという繋がりはあるかもしれないが、ベラミーの思想との直接の繋がりはあまり感じられない。だが、やはり思想の類似は関係するのではないか?


さて、そのエドワード・ベラミーの『顧みれば』だが、Kousyoublogに概要が書いてあった。KousyoublogはRSSリーダーに登録してるので前に読んだかもしれないが忘れてた。
資本論に次ぐ影響を与えたという十九世紀末のユートピア小説「かえりみれば――二〇〇〇年から一八八七年」エドワード・ベラミー 著 | Kousyoublog

世界の指導者たちはこのような「ユートピア」を目指して、悲劇を生み出していったわけだ。しかもこのユートピア志向は絶滅したわけではない。どころか、自称社会主義者共産主義者だけでなく、一見そのような思想とは無縁でむしろ敵対していると思われる人達の中にも潜んでいるのだ。たとえばリf(略)。



ところで、この問題にはもう一人調査しなければならない人がいる。近代オリンピックの創立者クーベルタン男爵である。彼の思想はどのようなものだったのか?おおまかにはわかったけれど記事にするには調査不足。書くかは未定。