2018-03-26から1日間の記事一覧

付喪神について(その6)

先に『付喪神記』は『付捜神記』だという仮説を立てたが、よくよく考えれば同様にしてもう一つの可能性が浮かんでくることにも気づいた。『付喪・神記』である。「付喪」は「ふそう」と読め、すなわち「扶桑=日本」に通じる。 これまた突飛な考えだというこ…

付喪神について(その5)

「付喪神」が「つくも髪」に由来することはほぼ疑いないと思っている。次の問題はなぜ「つくもがみ」を「付喪神」と漢字表記するのかということ。これについて解説してるものは見つからなかった。俺は今まで「狐憑き」などの「憑き」と同じで憑依するという…

付喪神について(その4)

『付喪神絵巻』以前に付喪神なる妖怪は存在したのか?これは重要な問題 だが確実なことはわからない。個人的には『付喪神絵巻』による創作の可能性が高いと思う。今後その前提で考察を進める。 なぜ『付喪神絵巻』は器物の妖怪を「付喪神」と呼んだのか?当…

付喪神について(その3)

先に「『付喪神絵巻』以前に「付喪神」という名前の妖怪に関する伝承や信仰は無かった可能性が非常に高いのではないか」と書いたけれども新情報。 正応4年(1291)の奥書がある河野美術館蔵『伊勢物語註 冷泉流』に もゝとせに一せたらぬつくもかミと云ハ、…

付喪神について(その2)

そもそも論として『付喪神絵巻』はどこまで信用できるのか?もちろん付喪神など実在しないのは当然だが、そういう意味ではなくて『付喪神絵巻』に書かれていることは、どの部分が著者の創作で、どの部分がそれ以前から存在していた話なのかということ。 陰陽…

付喪神について(その1)

名前だけは聞いたことがあるけれども、付喪神とは何かということをちゃんと考えて見たことはなかった。「付喪神(つくもがみ)」の「つくも」とは「九十九」のことだということさえ、言われてみれば確かにと思うけど、今まで気付いていなかった。なぜ「九十…