クルト・メンデルスゾーン著『ピラミッドの謎』

酒井傳六訳・文化放送出版部・昭和51年


専門的な部分はすっとばして、核心部分をざっと見た。確かに博士が「ピラミッドは公共事業」であると主張していると言うことができることはできるだろうが、「ピラミッドは公共事業」という説明だけで、博士の主張していることが、本当に理解できるとは思えない。実際、これを見た後で、ネット上の言及をみると、ピントはずれだと感じられるものが多い。「公共事業」という言葉が独り歩きした結果であろう。


大方そんなことだろうとは思っていたけど、一次ソースに当たることがいかに大切なことかをまたもや実感させられた。


素人の俺は「博士の説」が正しいか間違っているか判断する能力は持っていないが、学界で「ほぼ定説」になっているということは、もちろん博士の本当の主張が学者に支持されているということであろう。素人の俺もネット情報の「公共事業説」には首を傾げる部分が多いが、この本の主張には説得力があると感じた。


ところで、博士の主張は、ピラミッドに関心のない人、歴史に関心のない人にとっても重要な問題提起をしている。超オススメ。