「我々はアイヌの血を引く蛮族」発言の何が問題なのか?

民主・山岡氏:「アイヌの血を引く蛮族」と発言 - 毎日jp(毎日新聞)

 アイヌ民族問題に詳しい榎森進・東北学院大教授(日本史)は「アイヌ民族イコール野蛮な人という前提で発言している。無意識なのだろうがそこが問題だ。責任ある国会議員としての資質を疑う」と話している。

「蛮族」?(11月2日)- 卓上四季 北海道新聞

蛮族とは野蛮、未開の民族だ。この人はどんな神経をしているのか。政治家としての資質を疑う

このあたりを読むと、民主党山岡賢次国会対策委員長アイヌを「蛮族」と規定したことが問題のようみ見える。


しかし、山岡氏は、
asahi.com:「我々はアイヌの血を引く蛮族」民主・山岡氏 直後撤回 - 社会

 発言は会談冒頭の写真撮影の際に行われた。山岡氏は発言の真意について「大島委員長の地元は青森、私は栃木県真岡市で、北の方だ。大衆、生活者という総称において、私らは生活者中心の(大衆的な)土壌から出ているんだ、という意味で申し上げた。そういう立場を擁護しようという意味だ」と説明した。

という趣旨で発言したらしい。ということは、アイヌを蔑むつもりで発言したわけではなく、自らを蔑視されてきた民族の子孫と定義したということだろう。出自が差別されてきた民族だからこそ、現在差別されている人達の気持ちがわかる。そういう言い方は有り得る(それでも「蛮族」という用語は使うべきではないという考え方もあるけれど)。



たが、そもそも、そういう問題なのか?毎日新聞の記事には、

 民主党山岡賢次国対委員長が31日、自らを「アイヌの血を引く蛮族です」と発言した問題について、北海道ウタリ協会の加藤忠理事長は毎日新聞の取材に対し、「(アイヌ民族に関して)知識が何もないのではないか」と不快感を示した。

とある。この「知識が何もないのではないか」という発言の意味は、「蛮族」と呼んだことがけしからんということ以上の意味を含んでいるのではないか。



しかし、ここでそれを正確に記述する能力に欠けている。俺は日本史が好きだと言ってる割に、アイヌについての知識が乏しい。「知識が何もないのではないか」という批判は俺にも当てはまる。