⇒アイヌ民族の伝説、実は大阪の男性の創作だった 本人の手書きメモか
恋マリモ伝説は、恋仲となったアイヌ民族の若い男女が身分違いから結ばれず阿寒湖に身を投げ、魂が姿を変えてマリモになった物語。昭和初期に阿寒湖観光の宣伝で使われ始め、今もイベントなどで取り上げられている。1924年(大正13年)発行の「アイヌの伝説と其(その)情話」に収録されており、アイヌ民族の伝説と考えられてきた。
ただ、アイヌ民族や研究者の間では和人の創作との見方もあった。釧路市教委マリモ研究室の若菜勇室長は十数年前、22年に朝日新聞社から発行された公募小説集「山の伝説と情話」にも同じ物語が収められ、作者が「永田耕作」だと突き止めた。それ以上の詳細は分からなかったという。
これ見て、どうやって突き止めたんだろう?と思ったら何のことはない。
『アイヌの伝説と其情話』に「山の伝説と情話より」と出典が明記してあった。
⇒国立国会図書館デジタルコレクション - アイヌの伝説と其情話
『山の伝説と情話』はタイトル見ると誤解しそうだが、公募小説集なんですよね。公募小説集に掲載されているものが小説なのは当たり前の話、
つまり、このニュースはアイヌ伝説だと考えられていたものが創作だと判明したというニュースではなくて、永田耕作氏の「作品」が
釧路に住んでいた時に親しくなったアイヌ民族から聞いた話を基に「所も、話の筋も変えて作文をした」
ということが判明したというニュース。
全くゼロからの創作ではなく、アイヌ伝説を元にしたものだとわかったということの方に重点を置くべきもの。ミスリードも甚だしい。
なお、『アイヌの伝説と其情話』をチラ見したが、死んだ人が植物になるという話が多数収録されている。
そもそも収録されてる該当作品「悲しき葦笛」を読めば、洗練されたものとなっているので、村の古老から聞き取った話をそのまま記録したといった類のものでないことは一目でわかる。