「大山詣り」と洪水伝説

「大山詣り」的疑問 - 猫を償うに猫をもってせよ


大山詣り」という落語は初めて知った。

そこで連中は、熊さんが酔って寝ている間に頭を剃ってしまい、翌朝、熊さんを置いて帰途についてしまう。眼が覚めた熊さんは、頭を剃られ、置いていかれたことを知って怒り、駕籠で江戸まで先回りして、おかみさんたちを集め、ほかの連中は舟が嵐にあって死んだ、自分は供養のためこうして坊主になったと言い、おかみさんたちを坊主にしてしまう。そこへ長屋の連中が帰ってきて…という話。

これを読んでふと思ったこと。

伝説や昔話をもとにすると、瓜生島は大分市から400-500メートル沖の別府湾内にあり、島の周囲は約12キロメートル、人口5千人ほどと推定されている[1]。伝承によれば、島にあった恵美須像の顔を不心得者が赤く塗ったため、祟りで島が沈んだとされる。

瓜生島 - Wikipedia

こちらが詳しい。
幻想諸島航海記/瓜生島[上]


あるいは、

昔、この島にあった金剛力士像の顔を赤く塗ったために、島は沈んだといわれている。

万里ヶ島 - Wikipedia


これらは洪水伝説でよくあるパターン。「大山詣り」は熊さんの頭を剃ったら嵐で船が沈んだという話(実は嘘だけど)。


熊さんが「神像・仏像」であり、舟は「島」に対応しているのかもね。


ちなみに嵐に会ったのは、米ヶ浜祖師参詣のために舟に乗ったときだそうで、

建長5(1253)年、日蓮は房州(今の千葉県)から相模国(今の神奈川県)へ舟出しましたが、その途中、突然風波が荒くなり舟は木の葉のように波にもて遊ばれ、進むことも戻ることもできなくなりました。
この波にもまれる舟は船底に三寸の穴があいてしまい、そこから海水が容赦なく進入し、舟は沈没しそうになりました。

日蓮が米が浜に上陸したと伝えられる(よこすか歴史絵巻・鎌倉時代)
なんて伝説があるんですね。


俺は「洪水・津波伝説」にとても興味があるんで、こんなことを連想しちゃいました。



(追記)
さらに調べてみたんだけど、元ネタは『六人僧』という狂言なんだそうで、やっぱ関係ないですね。すんません。

『物語要素事典』