増えゆく社会保障関係費

歳出〜社会保障関係費〜 | 発展編 | 税の学習コーナー国税庁


前にも書いたけれど、社会保障関係費が増大して財政を圧迫しているという現実が、大半の人が知っていることであるにもかかわらず、この手の問題を論じるときに、すっかり抜けてしまっていることが多いように感じる。


(本来の争点はそういうことじゃないのではと思うが)「大きな政府」「小さな政府」という議論は、一般には高福祉高負担か低福祉低負担かの議論となっている。しかし今の日本で起きている問題で最大のものは、高齢化で社会保障費が増えているということでしょう。しかも少子化で若者一人当たりの負担は増すことになるわけです。


これは福祉のレベルを上げると負担が増えるという問題じゃない。レベルが変わらなくても負担は増える。じゃあ、どうするのかといえば、福祉レベルを下げるか(下げるといっても限界がある)、その他の予算を削減するか、負担を増やすかということになるわけです。そこからさらに福祉レベルを上げるのであれば、さらに他の予算を削減するか、負担を増やすかということになるわけですよね。


で、基本的には、福祉のレベルは上がらない(あるいは下がる)、公共サービスは低下する、負担は増えるという未来が、余程の経済成長でもない限り必然としてあるわけなんだけれど、その現状が理解できない、将来も現在と変わらない状態で、その中での配分を巡る争いだみたいな感覚の人がいる。少子高齢化ということを知っていても、それとこれとが結びついていない人が結構いるんだろうなと思う今日この頃。