日本は成功した社会主義という話

確かにそういう話は昔からあったと思うけれど、どういう意味で使っていたかというと、官僚主導とか、そういう話じゃなくて、日本は貧富の格差が小さいとか、一億総中流の意識とか、管理職と部下が同じ社員食堂でメシを食っているとか、そういう話じゃなかったかと思うんだけれど、当時、そんな意識して使用法を観察していたわけじゃなかったし、資料があるわけでもないので、何とも最近の、昔からそういわれていたというような言説には違和感があっても、それは違うと断言できないのがもどかしい。


官僚主導型の方はアジア的だとか、後発国型だとか、そういうふうに言われていたんじゃなかったっけ?良い評価はされてなかったと思うんだけれど、それは欧米に比べて遅れているみたいな感じで言われていて、それがジャパン・アズ・ナンバーワンなんて、おだてられて、むしろ日本の方が優れているみたいな感じになって、で、80年代以降、米英で新自由主義が登場し、でも当初は「アメリカの時代は終わった」みたいな雰囲気だったもんで、そんなのはお構いなしに、日本は自信を付けていたんだけれど、バブルが崩壊して、一方、アメリカはその頃から株価が右肩上がりに上昇して、それはなぜかという話になったとき、日本がだめなのは「日本は社会主義」だからといった話が出てきたと、そういう流れじゃなかったのかよと俺は思うんだ。