小沢一郎曰く「キリスト教は排他的

 民主党小沢一郎幹事長は10日、和歌山県高野町で記者団に「キリスト教イスラム教も非常に排他的だ。その点仏教は非常に心の広い度量の大きい宗教、哲学だ」と語った。弘法大師以来の歴史がある高野山金剛峯寺を訪れ、高野山真言宗の松長有慶管長と会談の直後。仏教のありがたさを強調するあまり、脱線気味となった。

 来年にスイスで開かれる国際会議に松長管長が出席することから、「欧米人に仏教の神髄を説いてやるのは非常に意義がある。大変うれしい」。さらには「排他的なキリスト教を背景とした文明は今、欧米社会の行き詰まっている姿そのものだ」と文明論にまで言及した。(本田修一)

asahi.com(朝日新聞社):小沢氏「排他的なキリスト教文明、欧米行き詰まる」 - 政治


確かにこりゃ問題発言だ。


ただ、これだけでは、何をもって「排他的」だと言っているのかがわからない。一部では日本人は正月には初詣に行き、クリスマスを祝っている云々とか言ってるけれど、そりゃ「日本人」の話だ。しかも「うちは浄土真宗だからクリスマス関係ない」とか信徒全員がそうじゃないんだろうけれど、そういう話もあるし。


で、そのあたりのことは読売新聞の記事によれば、

 小沢氏は会談後、記者団に、会談でのやりとりについて、「キリスト教イスラム教も排他的だ。排他的なキリスト教を背景とした文明は、欧米社会の行き詰まっている姿そのものだ。その点、仏教はあらゆるものを受け入れ、みんな仏になれるという度量の大きい宗教だ」などと述べたことを明らかにした。

「キリスト教は排他的」民主・小沢氏、仏教会会長に : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
ということらしい。


「仏教はあらゆるものを受け入れ、みんな仏になれる」というのがポイントなんだろう。で、これはおそらく「選民」のことを言っているのではないか?というわけでウィキペディアを見てみる。

啓示を受けるために選ばれたという思想

多くの宗教では、神はある特定の預言者メッセンジャーに啓示を下したと信じられている。

これらの宗教のうちのいくつか、例えばキリスト教イスラム教のいくつかの宗派では、彼らの説く道こそが救済への唯一の道であると教える。一方、他の宗教、例えばキリスト教イスラム教の他の宗派やユダヤ教ヒンドゥー教シク教、仏教、ウィッカ、また超越主義などでは、その信仰の信者が神へと至る唯一の道を知っているわけではないと考えられている。彼らは他の宗教の信者たちも、それぞれに神へと至る道を持ち得ると考えているのである。

選民 - Wikipedia


言ってることが似ているように思う。似ているようだけど違うようにも思う。よくわからん。で、元々仏教が排他的ではない(この時点で自信ないけど)としても、現実の仏教教団は排他的な面があるように思う。


詳しくないんで、わからないことだらけだが、俺だけじゃなく、一般の日本人で理解している人は少ないだろう。


つーわけで、小沢氏の真意が何かがよくわからない。その「真意」が正しい理解なのかもわからない。仮に正しい理解なんだとしても聞く側がそれを理解できるとは限らないことを安易に言うのは問題だろう。仮に正しい理解だとしても、小沢氏のような立場にいるものとしては不適切な発言ではないか。というようなことを思う。


(あと、思うんだけれど、小沢氏がキリスト教を排他的と批判したことについて、小沢氏の方が排他的だという批判があって、言いたいことはわかるんだけれど、よくよく考えてみれば、それもまた「排他的」なことは悪いことだということが前提の評価なんじゃないのかと…)