ウルトラマン本発禁について

ウルトラマン、マレーシアで発禁 イスラム教義反したか:朝日新聞デジタル
マレーシア:ウルトラマン本を発禁 宗教的理由で - 毎日新聞
ウルトラマン本を発禁、宗教的理由で マレーシア - MSN産経ニュース


これって、おそらく多くの人が持ったであろうイメージとは異なるの事情があるのではなかろうか?


そこのところを説明しているのは産経の記事。

 イスラム教が国教の同国では、「アッラー」使用の厳格化を求める世論が強まっており、裁判所から「神」の訳語に「アッラー」の使用を禁じられたキリスト教徒が反発するなど、社会問題化している。

これを見れば、マレーシアでは「アッラー」使用が厳格ではなかった。キリスト教の神も「アッラー」と呼ばれていたということがわかる。

ちなみにアラブ地域の聖書ではヤハウェを「アッラーフ」と表記している。例えば、東方正教会アンティオキア総主教庁アッシリア教会 (ネストリウス派) 、西シリア教会 (非カルケドン派) などでは、創造主を「アッラーフ」と訳している。しかしながらマレーシアではイスラム教徒以外が用いることが制限されており、同国でカトリック系新聞『ヘラルド』が掲載した際には、政府から使用禁止が命じられた[5]。この使用禁止命令は、一時はマレーシアの高等裁判所により取り消され、使用を認める判決が下されたが、2013年10月14日、マレーシアの上訴裁判所は高裁判決を破棄して、イスラム教徒でない人々が神を表す言葉として「アラー」を使うことを禁じる判決を下した[6]。

アッラーフ - Wikipedia


つまり、マレーシアにおいてイスラム教の唯一神に対する呼称としてではない「アッラー」の使用は今までは法的には可能だった。それが去年10月に使用を禁じる判決がくだされた。その判例によって使用されている本が発禁処分になった。ということではないかと思われ。


この本がいつ発行されたのかはわからないけれど、もし判決前に発行されたのだとしたら、その時点ではイスラム教徒からの批判があったかもしれないけれど、発行者側としては特に問題ないだろうと考えて「全知全能」とか「偉大な」というような意味で使用していたということではないだろうか。


(追記3/9)
キリスト教徒の「アッラー」使用禁止に マレーシアで宗教間対立が深刻化  - MSN産経ニュース
判決があった後もキリスト教の多い地域では「アッラー」の使用を認めていた。しかしイスラム教の多い地域でもキリスト教の神父が「アッラー」の使用を主張し対立。それで柔軟姿勢から厳格化に方針転換ってことだそうだ。