邪馬台国=ジャワ島」説

全日本邪馬台国論争大会というのがあることを下の記事で知った。
全日本邪馬台国論争大会 - Cask Strength

去年の大会の様子。
第5回全国邪馬台国アマチュア論争大会(邪馬台国大研究)
コーディネーターが安本美典氏なので「ユーモアと笑い」といっても、それなりに真面目なものなんだと思う。来年俺も応募しようかな、なんて…


邪馬台国論争の決着は大発見でもない限りつかないだろう。だけど、個人的には現在わかっている範囲内での論争でも、まだまだ重要なのに見落とされていたり軽視されていたりする部分があるんじゃないかと思っている。


たとえば邪馬台国=ジャワ島説」
珍説・奇説の邪馬台国…①「ジャワ島」説(内田吟風): 夢幻と湧源


珍説・奇説の類として、ほとんど無視されている。


魏志倭人伝(『三国志』魏書東夷伝倭人条)に記されている邪馬台国がジャワ島だというのは確かにありそうもない話だ。しかし、それをもって全てを無視しちゃっていいものかとも思う。


中国の東晋代の西域インド求法僧・法顕による旅行記である『仏国記』に「耶婆提国」の記述がある。「耶婆提」は「ジャワ島」のことだと考えられ、そこから「邪馬台国=ジャワ島」説が生まれたそうだ。


ただし「耶婆提国」がジャワであったと断定できるものではない。とはいえ、西暦414年ころに「耶婆提国」という国があった可能性は非常に高い。

この当時の西部ジャワに関するものと考えられる記録は、法顕による『仏国記』の記述で、414年ごろ、師子国(スリランカ)から中国へ帰国するとき、嵐におそわれて耶婆提国に漂着したが「その国はバラモン教がはなはだ盛んで、仏教は言うに及ばない。」という記録がある。

法顕のいう「耶婆提」は、「ヤーヴァドヴィーバ」の漢字音訳で「ジャヴァドヴィーバ」の雅語とすれば、ジャワに比定されることになるが、スマトラ、西カリマンタンマレー半島とも考えられ、はっきり断定できない。

タルマヌガラ王国 - Wikipedia


邪馬台国」と「耶婆提国」の関係という問題に関しての詳しい論文を俺は見たことがないが、どこかで論じられているのだろうか?

内田氏は、耶婆提も邪馬台もサンスクリット語のYavadvipaの漢字音訳と推論した。

珍説・奇説の邪馬台国…①「ジャワ島」説(内田吟風): 夢幻と湧源


仮に「邪馬台」がサンスクリット語だとして、それは土着して普通に用いられていたのか、特殊な言葉だったのかという問題もあるだろう。



これは、かなり重要な問題ではないかと俺は思う。