英国におけるホメオシーの保険適用に関する議論についての違和感

【えっ?】英国政府は、ホメオパシーにプラセボ以上の効果がないことを認めつつも、保険適用継続を決定【プラセボに公費使うの?】: 弁護士山口貴士大いに語る

どうにも良くわからないんだけれど、この英国の話って、日本で言うところの事業仕分けに類似したものじゃないんでしょうかね?


日本でスパコンだとか漢方薬等を含む「市販品類似薬」が事業仕分けの対象になって大いに騒動になったけれど、事業仕分けというのは、無尽蔵に金が使えるわけではない状況で、有効な分野に予算を配分するってことだと思うわけで、別にスパコン漢方薬が「悪」だということを決定するためのものではないはず。


英国においても当然保険に使える金が無尽蔵にあるわけではなく、より有効な治療に予算を配分するのが良いというコンセンサスがあるだろう。そういう意味においてホメオパシーを保険適用外にするか否かというのが、英国政府としての論点になっているんだと思う。もちろん、日本のニセ科学批判者と同様に、疑似科学であるホメオパシーを排除したいという思惑から適用外にしろと主張している人達はいるのだろうけれど、そこに英国政府との考えのズレがあるんだろう。


ところで、俺が思うに、疑似科学による被害を防ぐためには、
1、科学リテラシーを身に付けさせる
2、擬似科学を法で規制する
というのがあると思うのだが、今回の件はそのどちらでもないのではないか?


単に保険適用外になるだけでは信者は減らない。一方ホメオパシーによる治療が規制されるわけでもないので、要するにホメオパシー信者の負担が増えるということでしょう。


それで、経済力の無い人はホメオパシーによる治療を断念せざるをえない状況になるかもしれないが、それで結果オーライと言えるのかどうか微妙じゃないですかね?また、多額の負担で生活苦になる世帯が出てくるかもしれない。それってまさにニセ科学の高額商品で生活難になる話と同じで、つまり結果的に「ニセ科学による被害」と同様の状況を作り出すことになるってことになるのではなかろうか?


英国政府の政策決定には、そのような要素も考慮されているのではなかろうか?もちろん、保険は国民の金から出ているのだから、無駄な支出は減らせという意見が出てくるのは当然だけれど、それは擬似科学か否かという問題とは別問題のように思う。一方、擬似科学の被害を防ぎたいのなら、上に書いたような「王道」でやるべきなのでないかと俺は思うんですけどね。