⇒ゲイのテレビ出演は何でダメ? 教えてください、石原都知事 - ZAK×SPA! - ZAKZAK
⇒ひろゆき「ゲイは大昔からいるのに差別する石原はおかしいですよね。三島や織田信長はどうなる?」
石原批判は別にいいんだけど、俺が疑問に思うのは織田信長はゲイなのかってこと。信長はゲイではなくてバイ(バイセクシュアル)だというツッコミがなされてはいる。
だが元記事にも、
▼織田信長だったり武田信玄だったりとゲイだらけ 戦国時代の日本では、「バイセクシュアルが多く、それが普通だった」という説もあるが、その詳細は不明。ちなみに前田利家もバイセクシュアルだったとか…
と一応「バイセクシュアル」書いてある。
とはいえ、この説明は読んでると頭が爆発しそうになる。「ゲイだらけ」と書いていながら「バイセクシュアルが多く」とあるのは意味がわからない。両性愛者は同性愛者に含まれるってことなんだろうか?まあ俺もこの手の用語の使用法に詳しくないんだけれど。
で、それはそれとして、次に、
「バイセクシュアルが多く、それが普通だった」という説もあるが、その詳細は不明。
って書いてあるんだよね。「説もあるが、その詳細は不明」って要するにわからないってことですよね。わからないのに「ゲイだらけ」ってあんた…
まあ、こういうのが週刊誌の常套的な煽り文句なのかもしれないけど。
なお、その次の、
も何か変。というのも、巷で言われているのは、織田信長のお相手が前田利家だということ。だから、前田利家を別扱いしてるのは不自然。普通書くなら「織田信長と前田利家の関係や、武田信玄など」というように書くのでは?もしかしてそれを知らないで別件として書いてるとか?
で、こっからが本題。
世間では織田信長がバイセクシャルだったというのが当然の事実であるかのように言ってる人が多い。この記事のツッコミでも「ゲイではなくバイだ」みたいなのがあることは既に指摘した。つまり「バイ」であることは否定してないわけだ。
だけど、織田信長がバイセクシャル(正確には「衆道」というべきだろうが)だったという根拠ってあるの?
俺はその根拠を知らない。
この質問をしたら、「森蘭丸」って答えが返ってくるんじゃないかと思うけれど、森蘭丸との関係を示す証拠は何もないと思う。ちなみに「蘭丸」っていうのは後世の史料に見えるもので、同時代では「森乱」だったりする。
⇒森成利 - Wikipedia
ところで、信長と森蘭丸に関係があったという説は、いつからあるんだろうか?最近(平成以降)の話じゃないかという気がしないでもない。「美少年キャラ」としての歴史は長そうだけれど、それと信長との性的関係という話は別であって、繋がっていなかったようにも思う。この点、確かなことはわからないけれど。
なぜ、そう思うのかといえば、俺が個人的に昔はそんな話なかったように記憶しているのと、信長の相手といえば、先に書いたように「前田利家」の方が有名だったんじゃないかと思うこと。これも記憶が定かではないけれど、小説(司馬遼太郎?)にあったかもしれない。で、肝心な点は、前田利家と信長の関係といっても、利家が「犬千代」と呼ばれた小姓時代の話であって、信長もまた若かりしときの話として、そう語られていたということ。主従関係を強めるみたいなことも書いてあったように思う。それと晩年の信長と森蘭丸の関係では意味するものが全く違うのではないか。
で、じゃあ、信長と利家に関係があったという根拠はあるのかといえば、こっちもそんなものは一切ないと思う。要するに、信長が男性と関係を持っていたという根拠は全くないと思う。
もちろん、事が事だけに、史料的に無いからといって無かったと言い切れるものでもないけれど、だからといって、あったとする根拠は乏しいのではないか?
(追記 1/7/ 00:07)
同性愛者である折口から「森蘭丸は織田信長に愛されたということで、歴史に名が残った。君だって、折口信夫に愛された男として、名前が残ればいいではないか」と迫られ、同衾を要求されたため名古屋の実家に帰郷。
折口信夫が同性愛者だったとは知らなかった。それはともかく、信長と蘭丸に関係があったと少なくとも昭和初期には考えられていたみたいなので、上に書いたその部分は俺の間違い。
信長と蘭丸の関係を示唆する史料っていつ頃からあるんだろうか?江戸時代に既にあったのだろうか?
(追記 1/7/ 00:18)
信長と利家の関係だけれど、俺が読んだのはやっぱり司馬遼太郎だった。
⇒日本における同性愛
『亜相公御夜話』という史料に「信長御秘蔵にて」と書いてあるという。しかし「御秘蔵」が関係を暗示していると言えるかどうかは疑問。
(さらに追記)
『信長記 殺意と憧憬』という題の演劇があるそうだ。内容は「織田信長と森蘭丸の男色の葛藤を描く」ものらしい。「男同士のキスシーン」もあったんだって。
⇒誰か昭和を想わざる 同性愛の昭和史
劇団四季の公演で、作者は石原慎太郎なんだって。