『太閤素性記』の類話(その2)の続き。
『太閤素性記』の物語要素とそっくりな超有名な話とは、いうまでもなく「シンデレラ」だ。
シンデレラの父は後妻を娶った。シンデレラには二人の義姉がいた。シンデレラは舞踏会に着ていく服がなかった。シンデレラは魔法使いによって美しい娘になった。シンデレラは王子様に気に入られた。
美しい娘に変身してから王子に気に入られるというところが、『太閤素性記』と順番が逆だけれど、それを除けば見事にシンデレラと『太閤素性記』は合致している。
もちろん、グリム童話の「シンデレラ」と『太閤素性記』が直接関係しているわけがない。
しかしシンデレラの伝説は世界中に流布している。
世界中にシンデレラのバリエーションといえる話が残っている。
そして日本にも「シンデレラ型」の「灰坊」という伝説がある。
すなわち『太閤素性記』の太閤伝説は「灰坊」の類話であると考えてほぼ間違いない。
(と強く思うのだが今までそんな話を聞いたことがないのである)
(つづく)