南北朝正閏問題のわかりにくさ(その3)

これが学問的な正さとは別に、道徳的な正しさを問題にしたのだというヒントを得て調べてみれば、ネット上にもちゃんと解説されているものもあった。


たとえばこれ。

 『南北朝正閏論纂』は、ヒステリックに北朝抹殺を叫んでいる訳ではなく、『南北朝対立説』、『北朝正統説』、『南朝正統説』が、それぞれ学問の世界では真面目に研究されている事実を認め、それぞれの学説を(偏見はあるものの)詳しく紹介し、しかも、南北朝が一時期同時に存在した事実を事実であると認めたうえで、純粋な学問としての研究発表と、子供達が学ぶべき道徳は違う物であるべきと論説しています。つまり『南朝正統説』は、国の方針であり、維新の先駆者はそれを信じて戦った。今ごろ南北朝対立時代があったなどと言っては反道徳的であり、しかも万世一系を高らかにうたう憲法にも違反する不敬行為でもある。という事です。学者は学問の世界に留まっているべきという思想が全体に貫かれています。

南北朝正閏論纂(1)


あとこの記事。
tukinohaの絶対ブログ領域 - 南北朝正閏論争について


道徳とか、学問と教育の分離みたいなことが書いてある記事は他にも結構あるけれど、上のような丁寧な解説を読んで理解してから読み直せば、なるほどそういう意味かとわかるけれど、それだけを読んでも理解するのが難しい記事も多い。ましてやウィキペディアのような記事を読んで、そういうことを読み取るのは到底無理だと思われ。