地震の前兆現象と鼻血効果

しつこいことはわかっているんだけれど…

 他にも、阪神淡路大震災の時には、やはり前兆現象として、「カラスが群れをなして飛んでいるのを見た」という報告もある。

 カラスって毎日、夕方になったら群れをなして山に帰っていくよ!

 僕はそんな光景、もう何十回も見てるけど、これも普段、カラスになんか興味のない人がたまたま目撃したら、不気味に見えるのかもしれない。

 こういう、「普段からよくあることなのに、無知や観察力不足のために、最近になって急増したと錯覚する現象」を総称して、「鼻血効果」と名づけてはどうかと思うのである。

さて、ここに一つの不思議なことがある。


「カラスが群れをなして飛んでいるのを見た」というのが珍しい現象でもなんでもないのに、そのことに気付いて異常な現象が起こったと思った人がいる。


ところが、その人は間もなく地震が来ることを知る由もない。


なぜ、この人は突然「カラスが群れをなして飛んでいる」ことに注目したのだろうか?


「カラスが群れをなして飛んでいる」こと自体は異常現象でもなんでもないが、地震の直前になってそれに気付いたのはいかなる理由によるものか?


実はこの人は地震が来ることを無意識に察知して自然現象に対して敏感になっていたのだ!人間にはまだまだ解明されていない未知の能力があるのだ!!



もちろんそんなことではなくて既に書いたように、これは「たまたま」である。世界のどこかで今日も誰かが「カラスが群れをなして飛んでいる」ことに初めて気付いているかもしれない。しかし、その後何事も起きなければ、そんなことは忘却されていくのである。


そこまで書いて初めてこのカラクリの説明になるのである。



※しかしながら、「カラスが群れをなして飛んでいる」という現象が、ここで言われているように日常的な現象を指しているのか、普段のそういった現象とは異なった現象だったのかは、俺にはわからない。日常的な現象でなくて珍しい現象であっても、カラスの珍しい現象、鳩の珍しい現象、犬の珍しい現象(以下略)と重ねてみれば、何かが日常的に起きていると考えることもできるから、あえてそれを日常的な現象と決め付ける必要もないように思う。


※ところで、こういった現象(宏観異常現象)は、現在の科学界でどういう位置を占めているのか詳しくないんだけれど、科学と非科学の境界の境界くらいには位置していて一概に切り捨てるべきものではないとは思う(ただし俺個人としては否定的)。