キノシタ トウキチ

これは10年以上前から気になってることなんだけれども、あまりにも突飛すぎるんで今まで書かないでおいた。このまま埋もれさすのも何なので、専門家だったら気になっても口に出来ない代物だと思うけど、そこは素人の気楽さで書いておく。



「モミジガサ」という植物がある。

モミジガサ(紅葉笠、学名:Parasenecio delphiniifolius)は、キク科コウモリソウ属の多年草。別名、シドケ、シトギ、モミジソウ。春、茎が20-30cmに伸び、茎先の葉がまだ展開しないものは山菜として食用にされる。

モミジガサ - Wikipedia
Parasenecio delphiniifolius 1
俺は(多分)食べたことがないけれど、天ぷらなどにするそうだ。



さてこのモミジガサだが「キノシタ」とか「トウキチ」と呼ぶ地方があるという。なぜそう呼ぶのかといえば、木の下に生えているから「キノシタ」で、それが転じて木下藤吉郎の「トウキチ」になったと説明するところが多い。また藤吉郎の好物だったとするところもある。「トウキチロー」と呼ぶ地域もあるそうだ。


これらの説ではモミジガサが「トウキチ」と呼ばれるのは木下藤吉郎という歴史上の人物が存在して以降のこととなる。


ただ、それが史料的に確認できるものなのか俺はわからない。確認されているのだとすれば、これから書くことは無知な素人の与太話ということになるんだけれども、どうやってそれを調べればいいのか見当がつかないので、調べてから書いていてはいつになるかわからない。死ぬまでわからない可能性も非常に高い。というわけで俺が考えた一つの可能性について書いてみる。



それは木下藤吉郎が存在する以前から、モミジガサに「トウキチ」という呼称があった可能性。そして木下藤吉郎という名前から「トウキチ」という呼称が出来たのではなく、モミジガサが「キノシタ」「トウキチ」と呼ばれることから「キノシタトウキチロウ」という名前が出来た可能性である。


かなりぶっ飛んだ考え方であることは自分でも認識しているけれども、気になるし、おそらく誰もその可能性に言及してないだろうから書いておく。



で、ここからさらにぶっ飛んだ考えを書かせてもらう。


モミジガサという名前は葉の形状が「モミジ(カエデ)」に似ていることから来たものだと思われる。さてカエデがなぜカエデと呼ばれるのかといえば「蛙手(カエルデ)」が変化したもので、すなわちカエデの葉の形状がカエルの掌に似ているから。それをモミジガサに当てはめればモミジガサの葉の形状も掌に似ているということになる(モミジガサの葉は5〜7裂)。


さて豊臣秀吉といえば多指症であったという。かつてはあまり取り上げられることがなかったが、近年はよく取り上げられている。このことが秀吉の人格形成に与えた影響みたいなことが論じられていたりするけれども、個人的には大した影響はなかったと思う。とはいえ信長が秀吉のことを「六つ」と呼んでいたとされているように、秀吉の「個性」の一つではあったと思う。それゆえに秀吉が自らの名乗りを「木下」という名字でもあるから、掌の形に似ている「トウキチ」という植物から付けた可能性はゼロではないように思うのである。ただし史料的にそれはあり得ないというのであればそれまでだけど。



※ ところで藤吉郎といえば木下藤吉郎で、それ以外の藤吉郎を俺は知らない。他にいるのだろうか?織田信長は三郎で、三郎は歴史上何人もいる。俺はこの手のことにも疎いのだけれども、「藤吉郎」という人物は他にもいるのか?仮にいないとして、そういうケースは珍しいことなのか?それとも特に珍しくもないのか?それも気になっているところ。