批判することに意味はあるのか

ネット上での何か/誰かを批判するのってそんなに意味あることなの?

一口に批判といっても様々な目的がある。


一つは、発言者の考えを改めさせること。知人に対してならともかく、ネットで赤の他人の考えを改めさせるのは簡単でないばかりでなく、改めさせることができたとしても、それで得られる効果といえば、たった一人の考えを改めさせたというだけにすぎず、非効率極まりない。


もう一つは、批判の対象はその人だけれど、対象としているのは、それを読んでいる人達であって、発言者の間違った主張を受け入れさせないようにするためだって考えもある。けれど、受け入れたいものだけを受け入れる傾向のある人にはほとんど効果がない。批判に賛同する人を見ると元々その主張に批判的だった人が批判者に賛同しているものだらけというケースはよく見かける。賛同者は賛同者で、批判者は批判者で批判が出る前も後も何も変わってないというパターンがありがち。それでも、そうすることに効果がないわけではないから、批判することに意義があるという意見はもちろんあるだろうけれど。


もう一つは、批判したいから批判するということ。正義のためとか誰々のためとかいった大義のためではなくて、その考えは間違っていると思うから、間違っているということを言いたいのだということ。他人のためではなくて自己の欲求のためにしているということ。つまり意見表明。俺は主にこれが目的。


意見表明することに意味があるのかといえば、もしかしたら大した意味はないかもしれない。しかし、この匿名氏もこうやって意見表明をしているのだからお仲間ではある。


※なお最初のケースに戻るけれど、相手の主張を変えることができたからといって、自分の主張が正しいとは限らない。まだここには書いてないんだけれど、昔ある歴史家がある歴史史料の解釈をしていて、その後、他の歴史家がその解釈は間違っていると主張して、現在ではそれがほぼ定説になっていて、最初の歴史家も考えを改めたんだけれど、俺はその元の解釈の方が正しいと考えているものがある。