信長は平氏ではなかった

信長は平氏ではない! 祖先の墓発見「平氏ルーツ説」を否定 - MSN産経ニュース

 福井県越前町教委は1日、同町織田の法楽寺で、織田信長の祖先とされる親真(ちかざね)を供養した五輪塔(墓)の一部が見つかったと発表した。織田信長のルーツを平氏とする説の根拠となっている系図から考えられる親真の生年と、今回見つかった墓に記された没年を照らし合わせると、親真が100歳を超えて生きたことになる“矛盾”が判明。同町教委は「信長平氏説の否定につながる発見」としており、注目を集めそうだ。

信長平氏説は以前から疑問視されており、それが今回物的証拠が見つかったということですね。


ところで俺がいまだに良くわからないのが「氏」というもの。


たとえば家康が源氏を称したのは征夷大将軍になるための偽称と良く言われているけれど、実際は少なくとも家康の祖父の代に源氏を称していた。その根拠は松平氏の祖先の親氏が新田源氏だったからだと考えられている。しかしそれは史実ではないというのが大方の見方。


だけど、それ以前に、仮に親氏が源氏だったとしても、松平氏という氏族はそれ以前から存在していたわけだし、その松平氏にも「氏」があったはずだ(賀茂氏だという説がある)。すなわち親氏は婿養子のようなものであり、その時点から源氏を称するようになったというのならともかく、何代も後になって、先祖に源氏がいるから我が一族は源氏ですと称することが可能なら、おそらく世の中には、源氏・平氏藤原氏その他何であれ、お好みの「氏」を称することができる一族がいっぱいいるのではなかろうか?


信長平氏説というのは、信長の祖の親真が平清盛の孫、資盛の子だということだったのだが、これだって親真は忌部氏の養子になったのだから、その時点で平氏じゃなくて忌部氏だ。でも元は平氏だったからというわけで子孫が平氏を称することが可能だったわけだ。


なんか納得いかない話だが、実際にそうやって氏を変更した一族は結構いるのかもしれない(良く知らないんだけど)。


でも、そんなんじゃ「氏」の価値は低下するんじゃなかろうかと思うんだけれど、そうなっているようにも思えないのはいかなる理由によるものか?


このあたりが良くわからないんですよね。


(俺が推測するにこれは朝廷との関係が重要なんだと思う。世の中には自称源氏や自称平氏が山ほどいるだろうけれど、信長・家康、あるいは秀吉などは朝廷から官位を授与され、その時に平信長とか藤原家康とか源家康とか平秀吉などと口宣案に記され、たとえ出自が怪しくても、そこで正式な氏として公認される。歴史学者的な視点では本当の源氏・平氏ではないということになるんだろうが、朝廷に認められた以上は「本物」であるという見方もあるのかもしれない)