[歴史と伝説]聖徳太子非実在説が歴史教科書に

やれやれ…

朝日新聞デジタル:聖徳太子は実在せず? 高校日本史教科書に「疑う」記述 - 社会
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 【岡雄一郎】聖徳太子は架空の人物――!? 2014年度から主に高校2年生が使う日本史の教科書では、これまで「常識」とされてきた歴史を疑う記述が目立つ。「史実は容易に定まらない」という歴史学の宿命を教えるのが狙いのようだ。

 清水書院は「聖徳太子は実在したか」と題したコラムを載せた。憲法十七条や冠位十二階といった施策は太子の実績と断定できない、旧1万円札で有名な肖像画も「太子像」とする根拠がない――との内容だ。

 近年、太子の実像に関する史料研究が進んだことに触れ、「多くの疑問が提起されている」と結んでいる。「研究者の間では以前からある話題。史料には様々な見方があるという面白さを知ってほしかった」と編集担当者は話す。

俺が高校で日本史習ったのは随分と昔(約30年前)のことだけど、憲法十七条や冠位十二階といった施策は太子の実績と断定できない」「旧1万円札で有名な肖像画も「太子像」とする根拠がない」も、その時点で(日本史大好きというわけでもなかったが)どっちも知ってた。肖像画の方はちょうど話題になった頃だし。
唐本御影 - Wikipedia


これは「近年、太子の実像に関する史料研究が進んだこと」とやらと本当に関係あるんだろうか?


ただ、高校の歴史教科書なんて高校卒業したら滅多にというか全く目にしないものだから、記述がどう変化したのかが全くわからない。教科書とってある人は確認するよろし。既に相当前から何らかの注意書きがあるのではないかと思うのだが…



この清水書院の教科書が曲者なのは、憲法十七条や冠位十二階や肖像画が疑問視されているからといっても、それが聖徳太子が実在しないということには直結しないということだ。そもそも、それらを疑問視する学者だって太子の実在を疑っていたというわけではないのだ。つか肖像画の方はそれが太子の肖像画でないからといって太子が実在しないのとはほとんど関係がないのではないか?だったら源頼朝足利尊氏武田信玄も実在しないのか?つう話ですよ。


いわゆる「聖徳太子虚構説」というのは1999年に大山誠一氏が『「聖徳太子」の誕生』で唱えた説のことであって、憲法十七条や冠位十二階や肖像画のことだけで聖徳太子が実在しないなどとは到底言えないはずだ。


これに「聖徳太子は実在したか」という題をつけるのはミスリードしている感がありますね。