アマテラスとタカミムスヒ(20) ヤマトタケルとヤマトヒメ

倭姫命(やまとひめのみこと。生薨年不明)は、記紀に伝える古墳時代以前の皇族。第11代垂仁天皇の第4皇女。母は皇后日葉酢媛命。伊勢の地に天照大神を祀った(現伊勢神宮)皇女とされ、これが斎宮の直接の起源であるとも伝えられている。

倭姫命 - Wikipedia


ヤマトヒメは伊勢神宮の創始に関わる重要人物だ。当然アマテラス研究にとっても重要だと思うのだが、どうもそうではないらしい。『アマテラスの誕生』(溝口睦子 岩波新書)でも扱われていない。その他今まで見たものでも重視されていない。アマゾンで「倭姫」で検索してもそれらしきものは見つからない。もちろん伊勢神宮関連の本などで言及されているものはあるに決まっているはずだが、ヤマトヒメをテーマにして一冊の本を書くとまではいかないようだ(その価値は十分あると思うのだが)
Amazon.co.jp: 倭姫


なぜ重視されないのか謎なのだが、おそらくその理由はこの話は「信用できない」からということではなかろうか?いやよくわからないが。


しかし、俺はアマテラスを考えるのにヤマトヒメについて考えることは絶対に欠かせないことだと思う。伊勢神宮の創始に関わっているのはもちろんだが、注目すべきは「ヤマトヒメ」という名前そのものだ


俺はヤマトタケルが本来は太陽神だったとほぼ確信しているが、それをおいといてもヤマトタケルとヤマトヒメの名前の関係に注目せざるをえない。なお『古事記』でタケルは「ヤマトオグナ」とも名乗っている。


このとことは折口信夫も注目しているみたいだ(未読だが)

倭姫・倭ヲグナの物語(大和の幼童神伝説)
日本には、桃太郎や一寸法師など童形の英雄が悪を征伐する説話が多いが、このくだりもそれらに類似するとされる。折口信夫はそれらの説話の分析により、幼童神的モデルを育てる「小母(おば)」の存在を指摘しており、この場合倭姫がその小母に該当すると見られる。また、少年・ヤマトタケルの女装に関し、様々な文化圏のシャーマニズムに散見される異性装に相通じると指摘される。

ヤマトタケル - Wikipedia


折口信夫が指摘しているかは知らないが、俺は「ヤマトヒメ・ヤマトタケル(ヤマトオグナ)」の関係はヒルメ・ヒルコ」の関係をどうしたって連想せざるを得ない。


(つづく)