鉄炮三段撃ちがなかったということに驚く人

少し前のことだけれど信長の鉄炮三段撃ちがネット上で話題になっていた。


この件ですごく不思議に思うのは、今頃になって「三段撃ちはなかった」という話を知って驚く人がいるということ。


『信長の戦国軍事学―戦術家・織田信長の実像』(藤本正行)が出版されたのが1993年。20年も前のことだ。

信長の戦国軍事学―戦術家・織田信長の実像 (歴史の想像力)

信長の戦国軍事学―戦術家・織田信長の実像 (歴史の想像力)


当時の俺は日本史に強い興味があったわけではないけれど、それでも話だけは知っていた。新聞や週刊誌などに紹介されていたからだ。


※ なお「長篠合戦における織田の銃隊の人数について」という論文が発表されたのはさらに前の1975年のこと。


俺がネットを始めたのが2002年頃で、その頃には既に「常識」となっていた。でも、その頃なら驚く人がいるのはまだわからないでもない。しかしそれからさらに10年が経過している。


いや、もちろん日本史に興味の無い人で、このことを知らない人は多いかもしれない。でも日本史に興味が無かったら、そもそも「三段撃ちは無かった」といわれても「へー、そうなんだ。で、それって何がすごいの?」という反応になるだろう。「驚く」というのはそれなりに日本史に興味を持っているからこそ驚くのだと思うが、それでいて今まで知らなかったというのが実に不思議。