因幡の白兎の目の色は

ウサギの日本史 古典からひもといてみた  :日本経済新聞

 古事記に記載されている大国主命因幡の白兎(うさぎ)の話は文字に記載された日本最古の動物医療にあたるが、これは日本在来種のノウサギの話である。

 ノウサギの夏毛は茶系野生色で、寒冷地では冬毛が保護色で白くなる。ただ耳の縁に黒毛が残り、目は黒い。これに対し、アナウサギの日本白色種は色素がなく、眼の網膜の血管が透けて見えるので赤目となる。平安時代の作である国宝「鳥獣人物戯画」はその辺りをきちんと表現しているが、現代絵本の因幡の白兎には赤目のウサギが描かれていることもあり、見つけるたびにお知らせしようかと迷ってしまう。

一般に「因幡の白兎」といわれているけれど、『古事記』には「稻羽之素菟」とある。

この兎は、「白兎神社」や「白兎神」「白兎明神」などに見られるように、「白兎」として伝わる。『古事記』の表記は「菟」、「裸の菟」、「稲羽の素菟」、「菟神」である。本居宣長は、「素」には何もまとわず何にも染まっていないの意があると述べる[9]。『古事記』には兎の毛色の言及はなく、宣長のように「素布 ( そふ )」= 白い布から、「素」に白の意があると考えれば「白兎」ともいえる[10]。なお、日本に広く分布するニホンノウサギは夏期は体毛の色が焦げ茶からベージュに、冬季積雪地域では白へと変化する。また隠岐島には冬になっても白くならない亜種オキノウサギが生息する。

因幡の白兎 - Wikipedia


「素」は「しろ」と読まれているけれど本当のところはわからない。この兎は毛をむしられた「裸の兎」であるからし元の毛色は不明なのではないだろうか。


しかしながら「白兎神社」などのように、この兎のことを「白兎」と呼ぶ。この呼び方がいつからあるのか俺は知らない。


ただ思うに、この兎は「兎神」である。「白蛇」「白鹿」「白猪」のように神は白い姿で表現される。したがってこの兎も「白兎」と呼ばれるのではなかろうか?


それともう一つ考えなければならないのは「月の兎」のことだ。月の兎は白兎であろう。月は満ち欠けを繰り返すことから不老長寿の象徴になっている。
変若水 - Wikipedia


(記憶が曖昧で今検索しても見つからないのだが、月神に仕える兎が変若水を盗んで地上に逃げたという伝説が隠岐だったかどこかにあったように思う)


古事記』の大国主神話は「因幡の白兎」ではじまる。そのあとで大国主は八十神(やそがみ)に殺されるが生き返る。ところが大国主はまた八十神に殺されてしまう。しかし大国主はまた復活する。


俺は大国主が兎を助けたことによって、大国主は死んでも生き返ることができるようになったのだろうと思う。つまり、この兎は「月よりの使者」なのではないかと考えおり、よってこの兎は「白兎」であっただろうと思うのである。


さて、この兎が白兎であったとして、目の色は何であったであろうか?この兎がただの兎ではなく「神」なのであれば、やはりその目は赤色だったのではないかとも思うのである。