日本の幽霊の手足(その4)

白居易の「李夫人詩」
李 夫 人
反魂香1 : 緑水庵
反魂香〜胡蝶骨〜|Sweet Medicine
などに原文が載っている。読む前に予想していたのとは違って「非科学的」なものではなかった。


特に「是なるや非なるや兩(ふたつ)ながら知らず」というところ。本当に李夫人なのか、そうでないのかわからないという意味らしい。


例えれば、オカルト研究家に心霊写真を見せられて「ほらここに人の顔が写っているでしょう」と言われて見てみると、まあ人の顔と言われば人の顔に見えないことはないけれど、ただの影に過ぎないんじゃないかみたいな微妙な心霊写真を見せられたみたいな。


反魂香伝説の本家がこんな感じなんだから、これを忠実に表現しようと思えば、李夫人の姿は非常におぼろげなものとなるだろう。それじゃ絵として見栄えがしないということで多少は誇張して部分的にはっきり書くということもあるだろう。


というわけで、応挙の「反魂香之図」で下半身がおぼろげなのは、白居易の「李夫人詩」の反魂香に忠実だからという解釈も可能であろうと思われ。


※ ただし、今日になって気付いたのだが、応挙の絵のタイトルが「反魂香之図」というのは、
【画像集あり】なぜ幽霊には足が無いのか? 円山応挙の幽霊画をめぐって:うしみつ-2ch怖い話まとめ-
によれば、

応挙の幽霊画の一つが所蔵されている久渡寺の木箱には「反魂香之図 洛陽 丸山主水筆」と書かれています。

ということだそうで、本当に「反魂香之図」というタイトルだったのか?という問題があるわけで、後から誰かが付けたタイトルだったとしたら、「煙で足が見えない説」を含めて根本的に話が違ってくるのであった。


※ 前にも書いたが応挙の「反魂香之図」はタイトル知らなければ、これが反魂香の絵だと理解するのは難しいと思われ。