天皇陛下のお気持ちと東京五輪

2020年東京五輪誘致の動きがあったときから思っていたことなのだけれども、今上陛下は五輪開催時には86歳になっておられる。昭和天皇は1989年(昭和64年)1月7日に87歳で崩御された。1987年に開腹手術。回復したかに見えたが、1988年9月以後容態が悪化した。
昭和天皇 - Wikipedia
陛下の御長寿を願うことは言うまでもないことだが、年をとるに連れリスクは増大する。万一東京五輪の開催中に重体ということになればどうなるであろうか。昭和天皇の場合は、自粛ムードが広がったことは当時物心がついた年齢だった人は誰でも記憶しているところだろう。皇室典範で「2 天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為をみずからすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く」と定められている。しかし、摂政を置いても天皇天皇である。もし五輪開催中に万一のことがあれば、あるいは五輪直前に崩御されるようなことがあれば、昭和天皇の時と同じように自粛ムードが広がる可能性は非常に高い。仮に自粛しなくてもよいという陛下自身の御意向があったとしても、なかなか難しいだろう。今上陛下が退位されていた場合でも、自粛ムードは広がるかもしれないけれども、天皇の地位にいる場合よりは抑制されたものになる可能性はある。五輪に限らず皇族や国民の支障をきたすようなことを陛下は望まれていないだろうけれども、生前退位の御意向を示されたのには、このことが大きく関わっているように思う。