UBS「契約無効」で返上打診 誤発注巡る巨額利益(朝日新聞)

UBS「契約無効」で返上打診 誤発注巡る巨額利益

 契約を無効にする場合、民法の「錯誤による契約」にあたることを理由にするとみられ、一般的な取引でも、売るつもりのないものを取り違えて売ってしまった場合などに適用される。

 ただ、無効が成立するためには、売った方に重大な過失がないことが条件になる。専門家は「異常を知らせる警告を無視して発注したみずほに重過失がある可能性が高く、無効が成立するのは難しい」(野村修也・中大法科大学院教授)とみている。

 仮に、契約無効が成立するとなると、特定の投資家の契約だけでなく、個人を含むすべての投資家との契約が無効と見なされ、UBS以外でも利益の返上の義務が生じることになる。実現は困難な状況だ。

 俺は昨日付けの日記で、

調整が上手くいっていないんじゃないの?

 と書いたわけですが、やはりそのようですね。で、それについても書きたいことはあるのだけど、とりあえずそっちは続報を見てからということで、ここで問題にしたいのは「錯誤無効」について。

 町村先生は、
「誤注文問題で錯誤を模索」

法科大学院生がこのような答案を書けばたちどころに、相対的解決とか、市場取引とはいえ一つ一つの契約の効力が他の契約の効力に直結するわけではないとか、色々コメントされて、書き直しとなることであろう。

 と書いて、朝日の記事を批判しているのですけど、まあ朝日の書き方にも問題があるのかもしれませんが、俺が考えるに、UBS証券は「契約無効」を望んでいる。その理由が「海外の株主に説明しにくい」ということを重視するべきであろうと思います。
 逆に言えば「海外の株主を納得させるにはどうすればよいか」が重要なことだということです。UBS証券は利益を返上することにやぶさかでないのであり、問題はその方法です。
 単に利益を返上するだけなら、別に「契約無効」じゃなくても良いでしょう。だから、ここでいう「契約無効」とは、税金上の問題とかの理由ではなく、自ら進んで返上するのではなく、返却の義務があるのであり、仕方なくするんだという形が欲しいのでしょうそれなら株主もおそらく納得するでしょう(その場合UBS証券だけが返上するというのはUBS証券にとって受け入れがたいことであると思われます)。そういう意味で朝日の記事を読めば、法律上の厳密さでは不合格かもしれませんが、ド素人の俺には、何の違和感も感じず自然に読めてしまうのであります。先生のおっしゃるように、

UBS証券の側からみずほ証券に対し、民事調停を申し立てて

 たのでは、それを自ら進んですることになり、株主に対して「説明しにくい」であろうと思うのです。逆に、みずほ証券が訴えるにしても、何でうちだけが?ということになり、それには抵抗しなければ株主が納得しないでしょう。

うーん、ややこしい。
UBS証券は「無効」を望んでいる→「無効」にするには「錯誤無効」くらいしか方法がないだろう→UBS証券の望む形での「契約無効」は全ての契約が無効になる形しかない(「錯誤無効」による相対的解決は無理)って流れじゃなかろうか?

まあ記事を読むだけでは確かに不明瞭で俺の間違いかもしれませんけど。