右でも左でもない

「右翼・左翼」とは何かという話でよくいわれるのが、

右翼・左翼の語源はフランス革命時代の議会において議長の右側の席を保守派が左側の席を急進派が占めたことに由来する。

(「右翼思想・左翼思想」ウィキペディア)
ということ。


で、俺はフランス革命のこと良く知らないから、思いつきで書くんだけど、ここで言う「右翼・左翼」とは、フランス議会での区分けであって、フランス国民の区分けではないですよね。


フランス議会の議員というのは、フランス革命を認めた人達なんですよね。革命なんて断じて認めないと考える貴族などは入っていないと思うんですよね。彼らは、投獄されたり、処刑されたり、隠遁生活を送っていたり、亡命したりしたんでしょうね。まあ、彼らはフランス全体から見れば少数だったろうけど、それじゃ国民の大多数を占める庶民はどうだったんですかね。彼らは本当に民主主義を望んでいたんでしょうか?単に当時の政治に不満なだけだったりして。革命政府でなくても、政策が変わるとか、王が譲位するとか、あるいは別の王家を迎えるとかで満足した人も多かったんじゃないですかね。


でも、まあその後いろいろあって、結局、フランスは民主主義の国として定着したわけで、良くわからないけど、今、フランス人でフランス革命を否定する人は、もしいたとしても極めて少数じゃないですかね。何しろ自国のサッカー選手が「国歌を歌わない」とかで極右政党の党首が怒っているんですから。フランス国歌は革命の歌なのに。


つまり、フランスでは最初にフランス革命ありきであって、右翼・左翼といっても、それ以前の中世的価値観は否定されているってことになるんですかね。形式的には。とはいえ、実際にはそんなことはあり得ないと思うわけで、そういう価値観の中にはイデオロギーに昇華して、民主主義思想と融合したものもあるだろうけど、そうでないものもあって、民衆の中に生き残っていたりして。でも、それを言語化しようとすると、民主主義イデオロギーの壁にぶち当たってしまったりして。


(ここまで思いつきで書いてるので間違ってたらすいません。あしからず)


何てことを考えるのは、日本もまた、「明治維新」が、重要な位置を占めていると思うから。日本で「右翼」と言った場合、通常、明治から戦前までの「国家主義」的な思想を正とする傾向のある人達のことであって、江戸時代は良かった、室町時代は良かったという人のことではない。てなわけで、右翼と左翼は似た者同士なんてことが良くいわれるけど、多種多様な価値観の中で見れば、実際に右翼と左翼は近い関係にあるのである(と俺は思う)。


で、そういう右にも左にも属さない価値観は、現代においては、そのままでは立ち位置が不安定だから、右や左の何となく似ていそうな場所に落ち着こうとするわけで、それで「仲間」を増やした方が勢いを増して、「右傾化」だの「左傾化」だのということになる。で、勢いが増したほうのリーダー的存在は、自分達のイデオロギーが認められたものと「勘違い」して調子に乗るわけだが、実際はそうではないことが次第に明らかになる。


こんな感じじゃなかろうかと思う今日この頃。