温室効果ガス「25%削減」と「日本版マスキー法」と「空気」の研究

民主党鳩山代表はスピーチで、日本の20年までの温室効果ガス排出削減の中期目標について「90年比25%削減をめざす」と明言。今月下旬の国連の会議で、途上国支援策など新政権の温暖化対策の指針を世界に発信する考えを表明した。

asahi.com(朝日新聞社):鳩山氏「温室ガス25%減」と明言 地球環境フォーラム - 政治

ガソリン乗用車の一酸化炭素炭化水素、窒素酸化物の排出を当時の10分の1まで削減するという技術的にも厳しい内容であった。
米国では自動車メーカーの反対からその実施が大幅に後退していくなかで、日本では1978年に当初の目標どおり規制が実施された。(53年規制)

環境用語集:「日本版マスキー法」(EICネット)より

では、こうなったと仮定しよう。そして何年か後に、NOxが無害だということになり、ヨーロッパははじめから何の規制も行なわず、アメリカも方向転換しているのに、日本だけなぜこんな自滅の道をつっぱしったのか。なぜだれ一人として「NOxは人体に有害だという確証はない」という、アメリカ人が平然といえることを言わなかったのか、と問われれば、その答は結局「当時の空気では、到底そんなことは口にできなかった」「当時の空気としては、ああする以外に方法がなかった」「当時の空気を知らない技術史家や評論家の難詰に対しては答えないことにしている」といった返事になるであろう。

(『「空気」の研究』山本七平 文藝春秋)より


一部を入れ替えれば、今の議論とそっくり。


ただし、

さらに1970年にアメリカのマスキー法が制定されると、自動車の排気ガスもきびしくなり、一酸化炭素の排出などが規制された。燃費がよく、有害な排ガスが少なく、それでいて高性能の車という過酷な条件を克服した日本の自動車産業の技術力が、この輸出拡大を可能にさせたのである。

自動車産業 - MSN エンカルタ 百科事典 ダイジェスト
ということも。


というわけで、厳しい基準をクリアすることで、日本の競争力が上昇するみたいな入れ知恵を、誰かがポッポちゃんにしたのじゃなかろうかと推測してみたり…