「裸体とはじらいの文化史」とズロース

裸体とはじらいの文化史―文明化の過程の神話 - 情報考学 Passion For The Future

全裸で暮らす≪未開の≫部族は、一見、裸に対して羞恥心を持たないかのように思えるが、実は彼らはお互いの裸体を見ないように暮らしているのだ。うっかり男性自身を硬直させないよう女性に近づかないように心掛ける。もし少女の陰部をみつめたりすればその親に報復されたり、村から追放される厳しいルールがある、などということが解説されている。

原始社会には物理的な個室の壁や衣服がない代わりに心理的な「幻の衣」をまとい、「幻の壁」を作りだして、恥を社会的に管理していたのである。羞恥心の発達は現代人以上に高度で複雑で繊細だったことに驚かされる。

めっちゃ面白そう。


ところで、この記事を読んで、俺が真っ先に思い浮かべたのがこれ。

しかし、この「白木屋火災が女性の洋風下着が普及するきっかけとなった」とする説に対して、井上章一朝日新聞社より出版した『パンツが見える。――羞恥心の現代史』で考察を加え、事実無根であるとして強い疑問を唱えている。「記録によると、1人を除いて犠牲者は全て飛び降りや帯・避雷針などで降りようとして失敗したことによる転落死だったことに加え、多くの従業員が消防士の救助で助かっている」「羞恥心のありようが現在とは異なっており、現代視点・西洋風視点から解釈を加えるのは誤りにつながる」などと指摘している。しかしながら、井上の著作発表以後もその指摘を踏まえないままに「白木屋火災が女性の洋風下着が普及するきっかけとなった」という説が、テレビ番組などで「事実」として放送されることは少なくない。

白木屋 (デパート) - Wikipedia

白木屋デパートの火災(1932年)からズロースが広まったとする話は有名だが、これは事実ではない。着物の裾が乱れるのに気を取られて命を落とした女性など一人もいなかった。火事場の野次馬に陰部を見られてしまったとしても、それほど恥ずかしいことではなかったからだ。1930年代は公衆便所で男女が一緒に立ち小便をすることもあった時代だ。壁に向かって立つ男と、同じ壁に向けて尻を突き出す女とが、時には並んで世間話など交わしながら…。大和撫子の幻想は修正すべきだろう。とにかく、新聞に尾ヒレを付けられた「白木屋ズロース伝説」は広く知れ渡ったが、ズロースの普及には貢献しなかった。

パンツが見える。―羞恥心の現代史 - 関心空間


俺はこの、もっともらしい「白木屋ズロース伝説否定説」に疑問を持っているんですね。「何かの拍子に見えてしまう」のと「自らの意思で見せる」のは違うだろってことで。あるいは日常と非日常の違いとか。それに羞恥心がなかったのなら、こんな説は即座に否定されてしまうはずで、それがなぜ流布したのかってのも疑問に思うし。


間違ってると断言するほどの自信はないですけれどね。


(その他)
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