リフレ政策と地動説と天皇機関説

ガリレオ・ガリレイの地動説はローマ教皇庁によって弾劾された。しかるに現在では地動説こそが正しいというのが常識だ。それはなぜかといえば、教皇庁が過ちを認めたからではない。ウィキペディアによれば、1992年になってようやく「ガリレオ裁判が誤りであったことを認め」たのだ。


地動説が常識となったのは、要は「教皇庁が何と言おうと、惑星の位置は地動説を基にしなければ計算できない時代が始まりつつあった」からだ。つまりプロによって認められたからだ。

地動説 - Wikipedia


俺はリフレ政策に賛同しないけれど俺など所詮素人だ。俺が賛成しようが反対しようが大勢に影響はない。リフレ政策を支持する人達がそれを実現させようとするなら、一にも二にもプロを説得することが肝心なのだ。


最近のネット上で、一般人の支持を得ようとするリフレ支持者の動きがあるように見える。
勝間和代公式ブログ: 私的なことがらを記録しよう!!: 「デフレ危機」論争について〜勝間和代からのメッセージ
金融政策論争 2009-11-09 - こら!たまには研究しろ!!
とか。


これらはリフレ論を一般人にもわかりやすく説明しようという動機からやっているのだろうとは思う。思うけれど、一方、何だかよくわからないけれど何となく良さそうだという世論を形成して、それを背景にリフレ政策を実現させようとしているようにもみえてしまう(もちろんそんな意図はないのだろうが)。


つまり、いわゆる「衆愚政治」につながりかねないように見えてしまうのだ。繰り返すが、やってる方にそんな意図はないだろう。だが、リフレ論を批判する主張に対する一部一般人の反応を見ていると、そのような側面が現実に発生しているように俺には見えるのだ。



そこで連想するのは「天皇機関説事件」だ。学問上の問題であるものを、一般人がよくわからないままに批判し、気に食わない言論を圧力で封殺しようとした典型的な出来事だ。
天皇機関説事件 - Wikipedia


そこまで大げさに考えなくてもとは思うけれど、似た面があるよなあとは思うのであった。