マル経と近経

鯨岡仁記者@朝日のまっとうな認識: hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
より

https://twitter.com/KujiraokaH/status/544338966535602176
これはその通りでしょう。ただし、一部リフレ派が言うような「アベノミクスは左派的な政策なのだから左派は支持しなければならない」というような主張は導くことはできない。


鯨岡記者がいみじくも「ケインジアン政策」と書いている。今の大学のことはよく知らないけれど、一昔前の大学では経済学はマルクス経済学と近代経済学の二つがあった。近代経済学とは要するにケインズ経済学のこと。マル経が左なら近経は右ということになる。なお少し前に書いたけれど自民党の「保守本流」は「ケインズ的な有効需要重視の経済政策を重視する立場」である。「新自由主義」などは経済学の隅っこに息をしているだけの存在で、マル経と近経が対立していたのである。政治における保革の対立もこの両者の対立だったということになるだろう。


したがって「ケインジアン政策」が左派的な政策だからといって、昔気質の左翼がそれを支持しないのも当然であろう。というわけでアベノミクス新自由主義というレッテルを貼るのは間違っているけれど、正しい理解をすれば左派の全てが支持するわけではないということになるでしょう。


※ ちなみに俺は大学に入学して必修科目でマル経と近経のどちらかを選択しなければならないと聞いて、両者の違いがわからなかったのでマル経の方が単位取りやすいとの噂を信じて選択してしまった。まあ、どっちを選択したところで勉強しなかっただろうことは疑いないが)


※ なお鯨岡記者がどういう傾向を持った人なのかは良くしらないけれど、前にも書いたように朝日新聞が左派なのは、主に政治部・社会部が左派なのであって、経済部はむしろ右派であろう(しかも他の新聞と比較しても際立って)。「小泉構造改革」についても社説等で左派的な批判があると同時に「自民党には抵抗勢力が多いから無理だ」という逆方向からの批判も多くあったが、これは主に経済部の主張だっただろうと推測している。