今日の内田樹先生シリーズ「内田先生奨学金に物申す」

結論を最初に書くと、またやっちゃった?って話。


教育のコストは誰が負担するのか? (内田樹の研究室)

増田聡くんがツイッターで、奨学金について考察している。

もう奨学金という名称を禁止すべきではないか。学生向け社会奉仕活動付きローンとか、強制労働賃金(返済義務あり)とか、いいのがとっさに思いつかないけど、現実を的確に解釈しかつ人口に膾炙するキャッチーな概念をこういうときにこそ考案するのが人文学の仕事なのではなかろうか。マジで。

すくなくとも現状の奨学金奨学金ではなく貸学金と呼ぶべきだよな。


引用元はここ。
Twitter / 増田聡: もう奨学金という名称を禁止すべきではないか。学生向け ...


この元情報は、おそらく、
奨学金の条件「社会貢献活動への参加」追加へ : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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473ブクマだって。盛り上がってますねえ。

 文部科学省は、国費を財源とする無利子奨学金の貸与を大学生らが受ける際の条件について、成績や世帯収入に加え新たに「社会貢献活動への参加」を追加する方針を固めた。

「受ける際の条件」に「社会公権活動への参加」が加えられると。なるほどねえ。



ところで、読売の記事は10月21日付だが、9月25日付の共同通信の記事にこんなのがある。
文科省、ボランティア経験を加味 大学生ら無利子奨学金 - 47NEWS(よんななニュース)
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こっちは7ブクマ。盛り上がってませんねえ。

 文部科学省は24日、所管の独立行政法人日本学生支援機構」が大学生らに貸与する無利子奨学金の審査基準について、現行の世帯所得や学業成績のほかに、来年度からボランティアの経験も加味する方針を決めた。

こっちには「ボランティアの経験も加味する方針を決めた」って書いてありますね。「経験」って書いてありますね。これと読売の記事が同じ」ことを言っているのなら、「社会貢献活動への参加」って書いてあるのは「経験」を「加味する」ってことですね。


続けて、

 文科省は基準を満たしても枠の不足から貸与されない学生が出るのを防ぐため、来年度の対象者を本年度より約2万6千人増加。基準を満たせば申請者全員が奨学金を受けられるよう必要な予算を概算要求に盛り込んでいる。

よろしいんじゃないでしょうか。


そして、

 それでも所得が基準を上回ったり、成績が下回ったりした場合は受けられないが、ボランティアをすれば基準外でも“救済”される可能性が出てくる。ボランティアを申請の条件にはしない。

とある。


「ボランティアをすれば基準外でも“救済”される可能性が出てくる」
「ボランティアを申請の条件にはしない」


って書いてありますね。


で、共同通信の記事と読売新聞の記事を比較してみると、別に矛盾したことが書いてあるわけじゃありませんね。おそらく同じことを書いているんでしょう。読売の記事は説明不足の感がありますけれど。


俺の見るところ、これは条件が緩和されるということだと思うんですけどねえ。


だとしたら、内田樹先生や増田聡氏やはてなブックマーカーの人達は何を怒っているんだってことになりますよね。