人物史とか人気ないんでしょうね

一般人にとっては、たとえば戦国時代なら信長や秀吉や家康や信玄や謙信などの人物史や、本能寺の変関ケ原の合戦や大坂の役とかの事件史はもっとも関心の高いことだろうと思う。テレビや雑誌でも一番取り上げられるのは、そういうものでしょう。


でも、歴史学ではそういうのよりは社会史とかが人気があるのだろう。

現在では最も活発な研究が行われている分野の一つ

社会史 - Wikipedia
って書いてあるし。


まあ、大学の先生が、「専攻は何ですか?」って聞かれて「織田信長の研究をしています」じゃアマチュアみたいで格好つかなそうだし。いや、歴史学界のこと良く知らないからいい加減なこと言ってるけれど…


信長・秀吉研究なんて何をいまさらって感じだし、もし新しい見方が出てくるとしても、それはもっと細分化された研究の積み重ねの中からでてくるだろうみたいな。


でも、人物史についても、頻繁に見直しが必要なんじゃなかろうかとも思う。それも高度な知識が必要なレベルでとかじゃなくて、基本的な事柄についての見直しが。


やっぱり、こういうのっていくら中立な立場で研究しているといっても、その時代の影響というものがあると思う。戦前と戦後に大きな断絶があるというようなことは言われているけれども、それだけじゃなくて、戦後だけでも大きく時代の雰囲気が変化しているだろう。


(歴史人物についていえば、荒唐無稽な説を排すということで、過剰に排除されてしまったものがあるだろうと思う。たとえば昨日書いた「秀吉が毛利方に信長の死を伝えた」とか。一方では逆に民俗学的なものを取り入れるということで、俺から見れば非常に怪しげな『太閤素性記』の伝説を採用するとか)


そういう雰囲気の中で作られたものが、時代が変化した後でも人物像だけが、それが唱えられた時代背景を置き去りにして継承されているってことがいっぱいあると思う。