蕨の粉 (番外2)

俺が今までこれはひどいと思っていた学者の筆頭は小和田哲男氏だ。小和田氏といえば『武功夜話』を肯定的に取り上げることで有名で、氏に対する批判もこの点に集中している感がある。『武功夜話』の件が注目されているせいで「それ以外はまともなのに」みたいな評価も時たま見かける。
しかし、それ以外でも相当おかしなことを言っていると思う。氏の論理的な思考力は大いに疑問だ。


だが、考えてみれば氏は多くの書籍やテレビ出演などで一般に戦国時代の研究者の中では一番有名だと思われるが、他の学者が氏の説を取り上げていることはあまりない。皆無というわけではなく、かなり積極的に取り上げている学者も時たま見かけるが、その学者もまた「それなりの学者」だと思う。積極的に批判するわけではないけれど評価もされない。そのことを知らない人は知らないけれど知ってる人は知っている。そういう立ち位置にある人なのではないかと思ったりもする。学者はしょうもない話を批判するよりも他にやるべきことがいっぱいある、みたいな感じで放置されているのではなかろうか?


本郷氏もたとえば足利義教八百長で将軍になったみたいな話がまともに批判されているようには見えない(森茂暁氏の批判くらいか)。だからといって支持されているとも思えない。そういう立ち位置に置かれるのだとしたら最悪の状況にはならないだろう。そうであっても東大史料編纂所での仕事で何かをやらかしているかもしれないけど。


でも、まあ俺がそんなところまで考える必要はないのであって、おかしいものはおかしいと言うまでである。