無料より有料の方が手にとられやすい?

同人誌のことはよくわからないけれど…
同人誌の世界で、無料配布の同人誌は手に取られにくい : ARTIFACT ―人工事実―

 この理由って実は考察をあまり見たことはないんだけど、自分が考えている理由としては、無料配布というのは、このサークル参加者(作者)は自分の作品に対して金銭に代表される、いろいろな意味で価値があると考えていないと、一般参加者が感じてしまい、もらう価値さえもないと判断しているからではないかと思っている。また、無料の同人誌をもらっても、何となくお得でもらったというだけで、積極的に自分で選んだ訳ではないから、すぐに読んだりせず、放置してしまう。宣伝のチラシと同じ扱いなのだ。

 同人誌において金銭のやりとりがあるのは、サークル参加者からすれば「私はこの作品に対して自信があるので、あなたからお金をもらう価値があると考えている」であるし一般参加者からすれば「私はあなたの作品をお金を払っても良いと考えているほど価値があると思っている」という表明でもある。

そもそも出版社やレコード会社はボランティアでやっているのではなく商売のためにやっているのであり価値あるものは有料に決まっている。でなければ損する。したがって無料で頒布するものは宣伝のためであり、例外はあるかもしれないが総じて価値は低い。同人誌は違うのかもしれなけれど我々の側にそういうい認識がある以上、無意識にそういう行動を取るということかもしれない。


さて、同人というのは自分で書いて自分の費用で印刷して出版するものだと思われ。つまり自費出版。出版社やレコード会社などは関与していない。間違ってたらごめん。一般の書籍やCDは出版社やレコード会社が関与する。売れなければ彼らが困る。したがって売れるものを売ろうとする。よって消費者の側も売るだけの価値があるものを有償で売ろうとしているのだと理解する。もちろんそれが買い手にとって価値あるものなのかは別だが。制作者は有料だろうと無料だろうとゴミクズを配布しようと意図しているのでは必ずしもないかもしれないけれど、価値あるものだと判断しているのは制作者だけで極めて少数なのに対し、一般の書籍やCDは多数が関与している。すなわち価値あるものだと判断している人数が圧倒的に違う。


今は割と手軽に自己の作品をネット上で公開することができる。ということは(受け手からみて)ゴミクズみたいな作品も手軽に公開できるということであって、素晴らしい作品があったとしてもゴミの中に埋もれてしまう。個人個人が宝石を見つけ出すことは極めて困難である。



先の記事に同人誌の無料で配布することが書いてあるけれど、配布する冊数には限界があろう。無料だから誰でも気安く受け取る。すなわち趣味の全く合わない人でも無料だからと受け取る場合もあるだろう。1000部配布したとしても、そのうち本当に興味があって受け取った人の数は微々たるものかもしれない。


ネットで無料公開すれば制限はなくなるだろうけれど、アクセスした人の全てが興味を持っているなんてことがあるはずもなく、やはりその中の極めて一部の人だけが興味を持つことになるだろう(それも優れた作品だという条件付きの話だが)。そしてさらにその中の一部だけが金銭を支払って作者の利益に繋がる。


したがって、入り口に当たる無料公開のアクセス数は余程多くなければならない。


日本で音楽活動中のとあるアメリカ人の主張がなかなか興味深い - NAVER まとめ

それにCDやライブの値段が高い日本ではすでに気に入ってるアーティストじゃない限りCDやチケットを買う人が少ないと思う。違法や無料ダウンロードなら、知らないけど聞いてみようってなったりする。好きになったら今度ライブ見に行こう、とかね。 @ichiro39

とはいうけれど、無料だったとしても聴かれるのは「すでに気に入ってるアーティスト」という結果になる可能性大である。「新しい音楽が広がるため」には、膨大な「ゴミクズ」の中から優れたものをピックアップする何らかの仕組みが必要になるだろう。


YouTubeで大ヒットしたといえる楽曲は億単位の視聴数のもあるけれど、大体5000万以上といったところだろう。1000万以上でヒットと呼べる水準にあると思われるが、多数は既に有名なアーティスト。大物の中にはそれより遥かに少ない視聴数のもあるけれど固定ファンへの宣伝にはなっているのだろう。


(ちなみにこれは昔だってそうだったはずだ。テレビの歌番組は高視聴率でピンク・レディーの歌は毎日流れていたはずだ。100万枚売れたといっても、その背後には買わなかった数千万人がいたわけだ)


新人については、Greyson Chanceとか、Karminとか、そしてジャスティン・ビーバーとかが、YouTubeでのし上がった成功例。


Look At Me Now - Chris Brown ft. Lil Wayne, Busta Rhymes (Cover by @KarminMusic)(8300万回再生)
YouTube - "Paparazzi"(Greyson Chance)(5000万回再生)
再生回数ハンパねえ!





で、何で俺がこの話題に食いつくかというと、俺のブログの一日のページビューが約1000。ブログ全体の中では割と多い方なのではないかと思うけど、「それじゃ全然足りないんだよおおおおお、どうせ1000といったってロボットってやつなんだろ(よくわからんけど)ちくしょう」という常日頃の鬱憤があるからなのであった……