天上界に動物は存在するか?

かぐや姫の物語」ではかぐや姫は虫や鳥や動物達を愛したという。そんな描写は原作にはないが、そこでふと思ったのは「月には虫や鳥や動物はいないのか?」ということ。そんなことは考えたこともなかった。


月にはウサギがいるという。ただしこれは中国の伝説だ。仏教的世界観ではどうなっているんだろう?


芥川龍之介の『蜘蛛の糸』に

幸い、側を見ますと、翡翠(ひすい)のような色をした蓮の葉の上に、極楽の蜘蛛が一匹、美しい銀色の糸をかけて居ります。御釈迦様はその蜘蛛の糸をそっと御手に御取りになって、玉のような白蓮(しらはす)の間から、遥か下にある地獄の底へ、まっすぐにそれを御下(おろ)しなさいました。

とある。とすれば天上界にも虫がいることになる。ただし、これは小説だ。


俺は詳しくないんで間違ってるかもしれないが、俺の記憶するところによると人間は輪廻転生の頂上にいて動物は下位にいるはずだ。だとすれば天上界は人間の住む世界よりも上位にあるのだから動物は存在しないということになるだろう。


そういう意味では、かぐや姫が動物達を愛するという映画の描写は理に叶っているのだろう。


もちろんこの場合は動物達は無垢だから愛されるのではなくて穢れているから愛されるのでなければならないだろう。そして都会が嫌われるのは穢れているからではなくて天上界ほどではないがより清浄だからということにならなければならないはずだ。


ただし、くどいようだが原作にそんな描写はない。