合衆国憲法に「国民の義務」はないというけれど

ウィキペディアより

近代憲法は国家権力を制限し憲法の枠にはめ込むことによって権力の濫用を防ぎ国民の権利(とくに自由権)を保証することを目的としている。そのため国民の義務に関する規程は憲法の中に重要な地位を与えられていない。近代憲法として最初期に成立したアメリカ合衆国憲法フランス共和国憲法には国民あるいは人民一般に対する明確な義務規定は置かれなかった。一方で武力を維持するため、あるいは行政の諸費用を支弁するための租税を維持するための規程は存在しており(フランス人権宣言13条、アメリカ合衆国連邦憲法1条8節1項)、宮沢によれば「当時の人間は、義務は十二分にしょわされていたのであり、あらためてそれを宣言する必要は少しもなかった」[24]ためである。

立憲主義 - Wikipedia

「当時の人間は、義務は十二分にしょわされていたのであり、あらためてそれを宣言する必要は少しもなかった」


当たり前のことはあえて書く必要がないってことですね。


そんで、ふと思ったんだけれど、アメリカの市民権を得るときには確か宣誓する必要があるはず。ただその内容を知らない。というわけで、これもウィキペディアで調べてみた。

Oath of Allegiance (忠誠の誓い)には、下記の内容が含まれている。

アメリカ合衆国憲法への忠誠の誓い
以前保持したすべての外国への忠誠の放棄の誓い
国内外の敵からアメリカ合衆国憲法を守る誓い
法律が定めた場合、兵役に従事する約束
国家の大事の際、法律が定めた市民としての義務を果たす約束

アメリカ合衆国の市民権 - Wikipedia


合衆国市民になるためには、これらを誓わなければならないわけで、すなわち「義務」である。当然のことながら市民になるときだけこれを守らなければならないのではなくて、市民である限り永遠に守らなければならないということだろう。


では、なぜ憲法には書いてないのかといえば、それは既に書いたように当たり前のことだからということになるだろう。そしてこれから市民になる移民にとっては当たり前のことではないから宣誓が必要だということでしょう。すなわち合衆国市民となったからには、これらの義務を遵守しない者などいるはずがないという前提(現実にそうかはともかく)があるということでしょう。


※なお「合衆国憲法 国民の義務」で検索したら
自民党憲法改正案(3) - おおやにき

あるいは、アメリカ市民権を取得するにあたって「忠誠の誓い Oath of Allegiance」によって合衆国憲法への忠誠を表明するとともに兵役と市民的義務の負担を誓うことも考慮すべきだろう。

と、既に1年前に大屋氏が書いてた。