都議会ヤジについて(その9)

なんで唐突に「ネトウヨの正体は悪魔崇拝である」なんて記事を書いたかというとこれが言いたかったからだ。


既に書いたことだが塩村議員は、高齢出産や不妊治療を受ける女性のサポートを都が積極的に進めることを主張した。一方、自民党の先の参院選マニフェストには

特定不妊治療に要する費用の助成、相談支援等の支援の充実、周産期医療ネットワークの整備・充実など、出産環境の整備を図ります。

とある。自民党マニフェストということは、すなわち安倍内閣の公約ということであり、塩村議員と安倍首相の目指す方向は大まかに言えば同じだということだ。もちろん「早く結婚したくても事情により叶わず婚期が遅れてしまったせいで不妊に悩む女性に限る」などといった限定条件はない。どんな事情であれ不妊に悩む女性が対象ということになろう。


それに対して鈴木議員は「早く結婚した方がいいんじゃないか」というヤジを飛ばした。すなわちこれは塩村議員に対するヤジではあるが、安倍首相に対する批判にもなっているのである。


しかるにこのヤジを批判する塩村議員が安倍首相を批判しているかのように受け取る主張を何度も目にしたのである。もちろん塩村議員はみんなの党に所属しているからして安倍首相の同志というわけではないけれども、この件に関していえば安倍首相・塩村議員と鈴木議員が対立しているという構図になっているのである


それなのに、安倍首相を支持していると思しき人達が、鈴木議員を擁護し、塩村議員を批判するなどという不思議な現象がなぜ起きてしまうのかといえば、様々な理由が考えられるけれども、その一つに「左翼視線でみた安倍晋三」というものが関係しているのではないかと思うのである。


つまり、左翼目線では「安倍晋三はウルトラ右翼の差別主義者であり、不妊に悩む女性のサポートなどと口では言っているが、そんなのは建前であり本当は興味ないのだ」というように見えているであろうことは、まあ疑いのないところであろう。もちろん「だから安倍はけしからん」ということなのだが、「悪魔崇拝ネトウヨ」的な人々からみれば、その左翼が見る安部晋三像を共有しつつ評価だけは逆転させて「だから安倍首相は支持できる」ということになり「鈴木議員のヤジの何が悪いのか?」ということになるのではないか?


いやそれが全てではないだろうけれど、そういう思考もあるのではないかと思うのである。