フランス革命の精神

保守主義の父」といわれるエドマンド・バークは、アメリカ革命その他の運動を支持していたが、フランス革命は逆に批判した。これによって彼は多くの非難を浴びた。「おまえダブスタじゃん」と。しかし、彼にとってはそれは一貫したものだった。

 バークの眼には海峡の向こう側でジャコバン派のやったことは、アメリカの植民者がやったこと、すなわち「恣意的権力」から自由を創出するという仕事とはまるで逆のことであった。むしろそれがやったことは平等の名による均一化であり、自由の名によるニヒリズムであり、人民の名による絶対的で全面的な権力の樹立であった。アメリカ革命は現実の、生身の人間とそのしきたりや習慣のために自由を探求したのであった。しかしフランス革命は現実のもの、生きているもの ― 農民、ブルジョワジー、聖職者、貴族など ― よりも革命の指導者たちが教育、説得、そして必要とあれば強制とテロルによって作り出せると考えた種類の人間にはるかに大きな関心をもった。
保守主義 ― 夢と現実』(ロバート・ニスベット著 昭和堂


彼らは、どうしても宗教を風刺しなければならない事情があるから風刺するというよりも、宗教を風刺する自由があることを確認したいから風刺しているようにみえる。事件の後にあえてムハマンドの風刺画を載せたのは、まさそういうことでしょう。


フランス革命の精神によって育てられたフランス人にとって表現の自由」は手段ではなくて目的なんだと思う。