統合失調症とネット

先日の淡路島の殺人事件によって統合失調症が注目されている。

http://b.hatena.ne.jp/entry/twitter.com/hirorin0015/status/575793179267497984
このツイートが現在229ブクマ。それに関して山本弘氏は

ということも書いている。俺もこの事件で気になって調べたらこんなページがあった。

有病率1%から推測すると、日本には統合失調症の人が100万人程度いると考えられます。同じくらいの患者さんがいる病気として喘息があります。
ところが、厚生労働省の患者調査(2011年)では、統合失調症の患者さんの数は約70万人とされています。これは発症しているけれども受診していなかったり、病気を周りの人に隠している人が多いためと思われます。

どれくらい患者さんがいるの? | 理解する | 統合失調症ナビ


※ なお山本氏は「発症率」と書いてるけれど、こちらは「有病率」。「有病率」が正しいと思うんだけど、確かなことは無知なんでわからない。
ウィキペディアにも「発症率」って書いてあるけど…

発症率は全人口の約1%弱程度と推計されている[1]。

統合失調症 - Wikipedia
しかし下の方には

生涯発病率は約0.85%(120人に1人)であり、まれな病気ではない。米国では生涯罹患率は約1%[12]で、年間発症率は10万人当たり1000人[13]とされる。性差によって発病率は変わらない。

と「生涯発病率」とか「年間発症率」という用語が…


100万人というのは相当な数だ。だけど俺個人の経験としては、知的障害の人やうつ病の人とは身近に接したことがあるけれど、統合失調症の人とは接したことがない。それはおそらくこの事件でテレビ局の人が近隣の人にインタビューしても容疑者の存在を知らない、あるいはよく知らないという反応があったように、あまり社会と接していないということがあるのではないだろうか。あと統合失調症といっても症状は様々だろうから接していても気付かないということもあるかもしれない。このあたり俺はよくわからない。


とにかく人数は多いけれども、実生活ではあまり接点のない人達であろう。しかしこれがネットとなると話は違ってくるように思われる。ネットでは日常生活では接することの無い人達とも接する機会が多い。しかもその人がどういう人なのかについてわからないことが多い。それは匿名ということもあるけれど、有名人ならともかく一般人が実名であったからといって、それでその人の人格がわかるというわけではないのである。


そんで、個人的な感覚としては、ネットにおける統合失調症が疑われる人の割合というのはすごく高い。100人に1人どころではないように思われる。特に人のブログ等にコメントする人の中には多いように感じる。一番多いのはスパムだけれど、これだって意味不明である。詐欺目的のスパムなら数撃てば当たるってことで動機は理解できるけれど、トンデモとしか思われない主張をコピーアンドペーストして他人のコメント欄(それもそんなに人気があるとも思えないブログの)に貼り付けまくる行為はほとんど意味をなさない。まだ2ちゃんねるとかに貼り付けまくった方が効果的というものだ。そして論理の破綻した支離滅裂なコメントもまた多い。こういうのはブログやってれば多くの人が経験していると思う。


もちろん統合失調症が疑われるからといって実際そうなのかはわからないし、わかりようがない。またトンデモ理論や陰謀論を唱える人が全て統合失調症だというわけでもないだろう。学者にだってわけのわからないことを言う人は少なからずいる。俺のことだっておかしなことを言う人間だと受け取っている人がいるに違いない。


で、問題はこういう統合失調症が疑われる人にどう接すればいいのかということ。俺は前から気になっているんだけれど、そういうことってあまり論じられてないでしょう。
誰だがわからない相手を非難するということ


おかしな主張があったらそれを批判する。それは当然のことのように思われるけれども、実生活で直接そういう場面に遭遇した場合、その人をみて「もしかしたらこの人は統合失調症なのかも」と思ったら、それでも批判するのかといったら普通はしないのではないか?少なくとも俺はしないと思う(実体験がないんだけど)。そもそも対応法として批判するべきでないとされていると思われる。


しかし顔の見えないネットだとそういう配慮がなされないことが多いように感じる。でも、もしかしたらその人は統合失調症ではないのかもしれない。間違った主張を全てスルーするというのもまた違うだろう。


そのあたり専門家の人の意見はないものかと思ってるんだけど、見つけられないんですよね。