⇒ここまで酷い論理展開はさすがにありえん(はてな匿名ダイアリー)
内田樹先生の論理展開はひどいという話。ただし、俺の見るところ、そういうことを言ってはいないようだ。指摘もすでにあるが、それもまた違うように思う。じゃあ何を言っているのかというと非常にわかりにくい。
その混乱の中でホテル・ルワンダの一人のマネージャーがホテルに逃げ込んできた1000人以上の「顧客」を命がけで暴徒から守った。
その実話に基づいた映画が『ホテル・ルワンダ』である。
私は別にこのような超人的な勇気をグランドプリンスホテル新高輪のマネージャーも持つべきだというような無法なことは申し上げない。
私が言いたいのは、SF的想定であるが、もしグランドプリンスホテル新高輪のマネージャーが内戦時代のルワンダでホテルのマネージャーをしていたら、彼はためらうことなくツチ族の顧客全員を政府軍に差し出しただろうということである。
ホテル・ルワンダのマネージャーは超人的勇気を持っていたので、「顧客」を命がけで暴徒から守った。マネージャーが取れる行動は顧客を守るか守らないかのどちらかである。超人的勇気を持たないものは顧客を守らない。しかしグランドプリンスホテル新高輪のマネージャーに超人的勇気を持てというような無法なことは申し上げない。超人的勇気を持たないグランドプリンスホテル新高輪のマネージャーはルワンダの顧客を守らないということになる。超人的勇気を持てとは申し上げないのだから、ルワンダの顧客を守れとも言っていない。
じゃあ、何を申し上げているのかといえば、あなた方はそういう局面には「ためらうことなく」そういうことをし、その行為を「合理化」しようとすることになるけれど、そのことがわかっていますか?あなたはそれでいいのですか?と言っているのである。そして、そうはならないとあなた方は言うかも知れないけれど、私の経験では「卑劣なふるまいができる人々」はそうする可能性が高いのでそのことを覚えておいてくださいねと言っているのである。
ここで誤解の元になっているのは「卑劣」という言葉。通常「卑劣」という言葉を使うときは相手を責めるとき。だけど内田先生は、
人間が卑劣であったり、惰弱であったりすることを私は責めない。
と言っているのだ。
内田先生の主張は、プリンスホテルは卑劣であるが、それについては責めない。だけどあなた(プリンスホテル)自身はそれでいいのですか、あなたがやったことにはどんな意味があるのか本当にわかっているのですかという問いかけだと俺は受け取りました。
で、そういう意味で受け止めれば、意味不明ではなくなるが、その主張が妥当かどうかは、また別の話。だが、そのことに関しては個人的にあまり興味がない(関わりたくない)ので書かない。内田先生がまた変なことを言っていると聞いて、便乗しようと思ったら、こういう時に限って、それほど支離滅裂ではなかったという話。